このところ隣国ラトビアの財政が物凄いことになっているけれど、この流れを受けてここエストニアでも折角のチャンスなんだから、ラトビア同様に公務員の給料も思いっきり下げてしまったらどうかといった議論が語られ始めている。
ラトビアは国家の破綻を避けるためという広義から、普通の役所の公務員も学校先生もみーんな給料を軒並み2割から5割と物凄い価格是正?がなされている。
一体妥当な給料がいくらなのか気になるところだが、エストニアの大手日刊紙SL Õhtulehtがエストニアで本当の財政危機に陥る前にラトビア同様に給料を半分にしてしまえば、将来、万が一、財政危機が起こってもそして起こらないようにする為にも或いは起こることを遅らせる為にも今給料をカットすべきだと提言している。
そして、業務が怠慢だと度々指摘される役所の仕事では、役所業務の効率を上げる為にいっその事隣からラトビア人を連れてきても彼らは喜んでエストニアで働くのではないかと皮肉っている。
今のところ、エストニアでは全く公務員の給与カットは議会で議論されていないが、このまま景気が悪いままならば、一般市民の給与は下がり続け、支出を控えることになり、追っては更に景気を悪いくしかねない経済の下降スパイラルに陥る可能性が高まっていると見ても現状ではそれを否定し切らないだろう。
ここで上がり過ぎた給与水準を数年前の水準まで引き下げる努力を国家が先頭に立ち行えば、民間も追随し、インフレは落ち着き、競争力アップとなり、外貨を稼ぐ最高の経済構造に戻るかもしれない。
そういう意味でも、今からある程度のまだ痛みを受け入れられる範囲のところまで給料を下げておくことは最悪を免れるための予防線になるのではないだろうか。
因みにエストニアでは去年も給料は平均14%も上昇している。
統計局資料によると、去年の平均月給は1万2912クローン(約11万円)だった。
07年度の比較では、教育界では20.5%も上昇し、医療でも20%も給与は上がっている。
エストニアは、確かにラトビアに比べれば、まだ輸出産業があることで、外貨を稼ぐ手段がまだあるが、それでもいつまでもこのクローン高にあるこの経済下で外貨収入が維持されるかは甚だ疑わしい。
国にお金があるうちに支出を減らし、預貯金を増やしておくことを考えてもいいのではないだろうか。
確かに誰も一旦得ていた給料の金額を例えそれが10%でもカットされることは受け入れがたいことかもしれない。それが30%、40%、50%もカットされるとなると、ローンの返済さえ滞り、生活できないと嘆く人も出てくるかもしれない。
そういう意味でも、今からある程度のまだ痛みを受け入れられる範囲のところまで給料を下げておくことは最悪を免れるための予防線になるのではないだろうか