欧州中央銀行がスウェーデンの中央銀行に30億ユーロを融資するそうだ。
巨額融資を必要とされるその背景は、スウェーデンの銀行がバルト3国におけるExposureが大きいことにあるといい、特にラトビアでの焦付きに親子共々火の車になりかけている危惧が高まっていることからきている。
とはいっても今回の融資は、為替スワップ契約で、スウェーデンクローナとの為替交換?によって最大100億ユーロの枠を得たところから必要分が出されるといった感じのものとなっている。
バルト3国下で活動するスウェーデンの銀行では、毎月のように融資の焦付きが増えている。支払いが滞る者が増加していて、経営を脅かすことが危惧されている。
ただし、今回のスワップ契約は、上記したようにスウェーデンクローナとの交換で保障されることになっており、何十億ユーロもの資金が必要となったら、通貨準備高が不足していたら契約の履行も願え出られなくなるので、万が一に備えて等価の他通貨の準備高も積み上げておかなくてはならなくなる。
スウェーデン中銀は、今回のスワップ契約の成立で、欧州中銀のバルト3国への信任が得られたとも考えているようで、スウェーデンが難を逃れれば、自ずとバルト3国も危機から逃れられると考えている。
しかしながら、経済が大火事で困惑している対岸のラトビアでは、毎日のように為替介入を断続的に続けている。
ラトビアとしては、一旦、ペッグが崩壊すれば、怒涛のような経済危機が同国、そしてバルト3国など周辺にも火事が及んでしまうと懸念も示している。
欧州中銀もラトビアの危機をこれ以上放置しておくわけにはいかなくなったと見てか、非ユーロ加盟国ではあるが、一定額の資金支援を施すことを決定している。
何でもかんでも支出を削減することでこの危機を何とか乗り越えようと模索しているラトビアにとっては、欧州中銀の行動は天の声に聞こえたに違いない。
今回のスウェーデン中銀の30億ユーロの確保は、バルト3国での焦付き対策のためであると明らかにしている以上、今後は、バルト3国で活動するスウェーデンの銀行は、焦付きに対し、積極的に引当金を計上することになるだろう。