リガ空港のシェアでairBalticと競合しているアイルランドのRyanairが何と駐機代としてたったの1ユーロ(約137円)しか請求されていないらしい。
リガへの就航条件として優遇税制を謳歌してきたRyanairは、airBalticと共に毎年1100万ラッツ(約21億4500万円)の還付金を受けられることになっているのだが、それとは別に駐機1機につきたったの1ユーロ(約137円)の支払いでリガ国際空港が利用できるという破格の就航条件であったことが最近暴露されている。
因みに他の航空会社は、駐機代としては350ラッツ(6万8000円強)が徴収されている!
この極めて不平等でRyanairを優遇する就航契約を結んだのは、前運輸大臣のAinars Slesers氏である。
もちろんこの件で今思いっきり叩かれている!
メディアでもこれまでに同社がいったいどれ程のメリットを享受し、ラトビアが受け取るはずであった税収が棄損されたかが計り知れないと怒りの声が挙がっている!
現在の同社の就航数から割り出すと、1日に1050ラッツ(約20万5000円)の着陸/駐機代の支払いがあるのだが、今空港が請求しているのはたったの3ユーロ(約410円)だけとなっている。
2004年7月に結ばれたこの極めて不当な契約は、驚くことに2015年4月までという超長期契約だという。
しかし、当時の表向きの契約書には同社は1機につき500ユーロ(約6万8500円)の支払いが明記されているのだが、実は裏にもう一つの契約書、そう2重契約が結ばれていた。
それが上記した厚優遇契約ということになる。
問題が表面化したことで非難轟々となっているが、Krisjanis Petersリガ空港社長は、後にこの契約を知り、他社よりも安くはあるがそれなりの料金を払ったと説明し、また07年末には還付金契約は破棄されたと密約はすでに存在しないとメディアに語っている。
この密約を暴いたラトビア監査局の試算だと、Ryanairは毎年20万ラッツ(約3900万円)から30万ラッツ(約5850万円)が徴収されるべきであったという。
しかしながら今もRyanairは日に3ユーロ(約410円)しか支払っていないことには変わりはなく、この密約は有効となっている。
ラトビアとしては契約が明るみになったことで密約を破棄する意向だが、一方的に契約破棄となれば当然Ryanairは裁判に訴えてくるだろう。
確かに同社がラトビア進出したおかげで明らかにラトビアへの渡航客は飛躍的に伸びている。
ある特定の企業を優遇することは確かに問題ではあるが、それが担った役割の大きさもとても大きなものであったことは間違いない。ここでラトビアとしても大きな代償を国民に払わざる得ないということだ。