金融危機が更に深刻化しかねない所まで差し迫っている。
アメリカではGMやクライスラーが更なる支援要請をアメリカ政府に願い出た。ただ、そんなアメリカだが金融の世界から見ると、米債なんかは欧州などと比べると比較的安定になぜか推移している。
ヨーロッパでは明らかに東欧に爆弾を抱えている。債券市場では、ハンガリー、ポーランド、チェコの国債が既に格下げを折込済みといった扱いを受け始めている。
ブルームバーグのニュースでは、ポーランドのCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のデフォルトリスク(債務不履行)が格付けが6段階も低いフィリピンと同水準となり、チェコの10年もの国債とドイツ国債利回りの格差は2001年以降で最大に広がっているという。
東欧という爆弾を諸に背負っている西欧諸国も実はものすごい危機に直面している。それも最悪、国家破産だってあり得るという位結構危うい状態だ!
イギリスのCDSプレミアムは今過去最高となる152ポイント(BP)に達し、東欧で広く事業の手を拡大させてきたオーストリアのそれは実に185.5ポイントと同じく過去最大だ。
プレミアムが高ければ高いほど、その国の破綻リスクが高いと見ていいので、極めて難しい局面となっている。
世界の金融危機発生の本拠地アメリカのプレミアムが88.7ポイントに過ぎないことを踏まえると、如何に欧州が危機的状況に追い込まれているかが見て取れる。
イギリス、フランス、スイスなどが過去最高のCDSプレミアムを記録する今、いつヨーロッパ発の金融危機第2弾が発生してもおかしくない状況になりつつある。
ロシアの金融不安という爆弾も実際には欧州は抱えており、気がつけば周辺には爆弾だらけといった具合だ。
一旦、こういった諸国の破綻危機が唱えられでもすると、ユーロ、ポンド、スイスフランなんかは一気に売り対象となるので下手をすると1日にして急落してしまうかもしれない。
ブルームバーグによると、この金融危機に直接的な被害を被っていないと見られたカナダも為替市場で2月17日急落してしまった。これは東欧での銀行の損失が拡大し、世界的な景気後退が深刻化することで安全資産への逃避、つまり米ドルなどへの需要が高まったことで、つられる様にカナダドルまで売られたのだという。
今のお金の動きは神経質に安全な資産に向かい始めている訳で、欧州は今後、酷い景気の悪化と国家破綻まで視野に入れた経済危機に直面しかねないかもしれない。