タリン市内には売れ残りのマンションが2000戸以上あるという。
景気後退からなかなかマンションが売れない状況なんだが、業界では意見が真っ二つに割れている。強気は年後半から景気は底を打ち、回復基調に戻ることで不動産市場も連れて上向くというんだが、一方では自助努力で国内経済を回復させられるほどエストニアには経済力はなく不動産市場の回復には海外からの投資家が戻って来てから初めて漸く始まると意見が別れている。
後者の意見ではエストニア経済は外国経済が回復し、余力が生まれてそこで漸くエストニアも資金が回り、経済が上向くという途上国経済の景気回復シナリオそのままの意見だ。
実際に今市場には2000戸を超えるマンションが溢れている。ここ最近では、マンションは月に80戸しか売れていない。
これに従うと、市場に出ている売り物マンションが全て掃けるには約3年はかかる計算になり、この間、不動産価格の上昇は正直期待できないだろう。
少し前まで業者はタリンには2000戸だの4000戸だの住宅供給が不足していると豪語していた。何の根拠もなくただただブームを煽った発言ばかりして、今は完全に口を閉ざしている。
そして不動産市場では今、特に完成している新築マンションでの値下がりは激しく、中古物件の方が下落率も小さく済んでいる。
ただし、業界全体を見渡すと、不動産価格の下落が一番大きいのは更地の土地で、開発案件で開発そのものが頓挫しているものが多く、開発も何も着手しないで金だけ集めてドロンする業者も増えているのが実状だ。
昨年の年初には春頃、そして夏には秋頃には不動産市場は回復すると何のデータもなくただ個人的なセンチメントだけに頼った業界関係者の思惑を何度も聞いたが、結局全て正に気分的な期待/憶測に過ぎなかった。
不動産価格はまだまだ底に至っていない。
エストニアで不動産の購入を計るのであれば、まだまだ時間をかけて優良物件を模索するといいだろう。