エストニア航空の行方に不安が広がっている。大株主のエストニア政府とスカンジナビア航空(SAS)が綱引きをしながら、どちらが今後同社を経営するのかで揉めている。
そんな状況が続いてしまう中、旅行者もエストニア航空の航空券を購入することに不安を感じている。実際、悩む客の多くは同社以外の選択肢を模索している。
航空券は、そもそもほとんどが当日買いなんてしない。
つまり、前もって買っておくわけだが、買ったはいいが、搭乗する日に航空会社がなかったなんていう冗談にもならないことが懸念されている。
実際、旅行会社も旅行会社組合も旅行者もみんな今回の問題に注目している。
スカンジナビア航空は、Andrus Ansip首相に『もし政府所有分のエストニア航空株34%をSASに売却するのであれば、エストニア航空への増資を引き受けると伝えたといい、一方のエストニア政府は表向きにはエストニア航空株の売却を躊躇う一方で、エストニア航空の今後の事業戦略をSASが提出すれば、内容によっては売却に応じることも示唆している。
エストニア政府が気に入らないのは、SASが主張する株式購入オファー価格があまりにも安すぎ、正当な評価がなされていないという点だ!
SASでは、12月1日にもエストニア政府から政府決定を聞けると期待を寄せているが、ウルトラCとして、エストニア政府がSASの指値でSASが所有するエストニア航空株49%を全て買い取るという案だ。
実際、SASは独ルフトハンザに買収されると見られており、SAS自身も経営不安を抱えている。
つまり、SASもキャッシュがほしいに違いない!
エストニア政府としてもウルトラCでエストニア航空を国営化したとしても長期戦略がなければ結局は赤字経営で将来は破綻しかねない。
ウルトラCの上を行く、ウルトラD案として、エストニア政府が所有するエストニア航空株全てをSASに売却するのだが、支払は現金ではなく、SAS株として株式のスワップ契約にすれば、エストニア政府としてもほんの少しだがSASに影響力を持ちつつ、エストニア航空の今後にも口を挟むことが出来るのではないだろうか?
もっと言ってしまえば、今SAS株自体がバカ安である。この株式市場ならエストニア航空の株式買取に投ずる金額よりもSAS買収の方がよっぽど安く済むかもしれない!
いっその事、エストニア政府はSASを買ってしまってはどうだろう?!
因みにSASの大株主はスウェーデン政府21.4%、ノルウェー貿易産業省14.3%、デンマーク財務省14.3%となっている。