エストニアの株価も信用不安から物凄い急落となっている。10月6日の株価は、実に1日で120億クローン(1200億円)もお金が吹き飛んでしまった。
市場規模が先進国とは比較にならない大きさなのでこの急落は、その金額以上のインパクトである。
タリン証取の株価が-3.3%の下落となったのと同様にラトビアでは-5.03%、そしてリトアニアでは-8.7%とどこもかしこももう留まる所を知らないような下落となっている。
週刊バルトジャーナルVol.175でも取上げたSwedbankだが、スタンダード&プアーズが同行の格付けを引き下げている。
引き下げられたのは長期与信の方で、依然Aという格付けだが、今後は更に引き下げられる懸念が持ち上がっている。
格付けの引き下げや預貯金の流出に頭を抱え始めた同行だが、ここにきて同行は実際に預金流出を認めている。
まだ預金流出はそれ程の規模には達してはいないようだが、預金される金額よりも引き出される金額の方が大きく上回っており、預金者が同行への信頼に揺らいでいることが確かとなっている。
地元メディアによると、預金流出はペイオフ限度額の25万SEK(約375万円)までを残し、それを超える額を他行に移すといった具合だったという。
既にスウェーデン政府がペイオフ上限を50万SEK(約750万円)に引き上げたことでその流れには変化が見られるようになったが、今後の成り行きを見定めるということだろう。
この預金流出は、ラトビアでもメディアが何度も同行の経営危機が取上げたことで本国同様に信用不安が持ち上がっていた。
ラトビアでは嘘の金融システム崩壊危機を流したとして、堪りかねた警察が風説の流布があったとして動き始めている。犯罪法19条に従い、経済警察では複数のグループに風説の流布の疑いで法的処置をとる姿勢を見せている。
先週、ラトビアでは携帯メール(ここではSMSが主流)に匿名でラトビアの金融システム崩壊をにおわせる内容のメールが飛び交った。
同経済警察では既に風説の流布として数人の加害者を特定し、捕捉しているという。
このメールには、Swedbankの経営難についても書かれており、このメールを読んだことで預貯金を引き出したものもいたという。
そして経営危機不安を払拭したい同行のラトビア法人は、自己資本比率は12.66%あり、経営に何ら問題がないことを明らかにしている。