エストニア議会が現在21%に据え置かれている所得税率を2015年から20%へ引き下げることを承認している。所得税率1%の引き下げで被る減収分は7000万ユーロに上るといい、税収の減収をどこで埋めるかが議論されている。
エストニアでは定額税率が敷かれており、所得税は所得が幾らであっても税率は同率で、日本の累進課税と比べるとかなり税負担が軽くなっている。
所得税の税率引き下げは、国民の税負担の軽減に留まらず停滞してきた経済を更に押し上げることを目指して消費意欲を刺激することなども背景にあるとされている。しかしながら、一方で、今回の税率改正だけでは、低所得者、失業者らは全く恩恵に与れないと言った声もあり、ただ単なる所得税減税であれば雇用が新たに生まれる訳ではなく、減税と抱き合わせで新たな雇用創出を含む景気刺激策の策定の期待も上がっている。