4月中旬に中国から農業諮問団がエストニアを訪れている。この所、中国では農産物の高騰が続き、国内の需要を満たすだけの供給量は確保できず、国を挙げて海外からの農産物の買い付けや農地そのものの買収に全力を挙げている。
そういった背景もあり4月に諮問団がタリンを訪れたのだが、中国の置かれている実情を理解しているのかは分からないが、エストニアは中国からの諮問団を企業投資家らとして歓迎している。
同諮問団は中国のChen Xiaohua農業副大臣が率いてエストニアを訪れている。エストニアのHelir-Valdor Seeder農業大臣は中国は世界中でパートナーを探しており、エストニアの事業家にとってもこれはチャンスであると同諮問団を好感をもって迎えた。
同諮問団はいくつかの農業系企業を訪問するなどし、両国の関係強化を図ることに合意し、エストニアを離れている。
さて、実は中国ではこういった農業系の企業の海外進出に国を挙げて協力体制を敷いている。この3月に中国の国内メディアが「中国政府は企業が海外において農地を買収するのに補助金を出す措置を実施する方向で調整に入っている」と報じている。つまり、海外で農作地を企業が買う場合、企業は購入資金を自己資金から調達する必要はなく、政府が買収資金を援助してくれるということになり、企業による海外での農地買収は実質的には政府による企業を隠れ蓑にした国策だといってもおかしくない。
こういった背景をエストニア政府は十分理解して、中国企業の活動を許そうとしているのだろうか?!