今、タリンにモスク建設が起案されており、大揉めとなっている。
アラブ首長国の第3の首長国シャルジャ(Sharjah)でスルタン(首長)にあるSheikh Sultan bin Mohammed Al Qasimiの命を受けた代表団がタリンを訪れ、タリン市内にモスク用の土地の提供とその建設を求めている。
代表団が求めるのは、イスラム教布教の為の施設と文化センターの建設で、何とその為の土地の無償提供だという。
もちろんこれまでにエストニアには殆どイスラム教は普及しておらず、街中でイスラム教徒を見ることはないといってもいいくらいだ。
とはいっても国内に全くイスラム教徒がいないのかというとそういう訳でもなく、エストニアにはイスラムの集会組織は存在している。
その組織で代表を勤めるのがIldar Muhhamedchin氏なのだが、エストニアでイスラム教の最高位の一つであるムフティ(Muft:ファトワーを表明できる権威ある法学者のこと)であるEldar Muhammed Shun氏が実質トップといってもいいだろう。
モスク建設を目指すIldar Muhhamedchin氏とEldar Muhammed Shun氏なのだが、世界的なイスラム社会への風当たりの悪さからエストニアでも社会の風紀を悪くする懸念があるとしてモスク等の建設の反対の声が日増しに高まっている。
Ildar Muhhamedchin氏は、イスラムへの差別意識の高まりだとこの反イスラムの風潮を凶弾するが、世界的にイスラムが攻撃的だといったイメージを作り上げているメディアにそもそもの問題が潜在するとメディアを非難している。
宗教的な問題を取り上げるつもりはないので宗教論争的なことはここでは書かないにしても、気になるところは、幾ら宗教施設だからといって、市内のどこかに布教の為の施設の土地を無償で貸してくれというのはあまりにも虫が好いのでは?!
世界のあちこちにモスクは実際にあるのだからキリスト教のように募金などで新施設建設の為のお金は集められるのではと思うのだが。
モスク建設で反対を示唆している人の多くはなぜ一宗教組織の施設建設に市が無料で土地を提供する必要があるのかっていう点に集中している。
もっともなことじゃないだろうか。
まだ建設用地を誰が準備するのか分らないけれど、エストニアとしては別段宗教施設の建設自体には反対はしていないようだ。
とは言っても、エストニアの秘密警察(KAPO)ではやっぱりイスラム教の拡大には警戒心を持っているんだそうだ!