先月、ラトビアでは今では使われていない軍の基地を入札にかけており、その落札価格はたったの17万ラッツ(約2686万円)であった。
競売にかけられたのはラトビア西部にあるSkrunda郊外のSkrunda-1のレーダー基地があったガリソン町。
そう実は町まるまるが売りに出されていたのだ。
同基地を落札したのはラトビア企業であるIniciative Europaという会社で、前記したように落札額は17万ラッツとかなりの格安物件であった。
競売に参加したのは、同社の他にも2者あったとされる。
Skrunda-1は現在はゴーストタウンとなっているが、45ヘクタールの土地に10棟のマンション、2件のナイトクラブ、シッピングセンター、幼稚園、サウナ複合施設などがある。
ソ連時代を通してもSkrunda-1は極めて閉じられた地域とされ、基地内には科学施設か軍事施設しかなく、軍人かその家族しか住むことが許されてこなかった。実際、ソ連の時代には地図にも載っていない町とされてきた。
この基地は、1970年代にソ連により弾道弾迎撃ミサイルのレーダー基地としてつくられた。真の目的はアメリカからの核ミサイルをモニターするための巨大なレーダーだったという。
その後冷戦も終わり、ソ連は崩壊し、ラトビアはロシア政府との間で国内にある2つのレーダー基地を閉鎖することに合意し、一つは1995年に撤去され、もう一つ(Skrunda-1)は1998年に閉鎖されている。
因みにこの基地、一旦この2月にもAlekseevskoe-Serviというロシア人経営の会社に売却されている。これも競売で落札(落札価格:155万1966ラッツ)されたんだが、支払いがなく、落札は無効となった曰く物件でもあった。本来ならこの落札が無効になり、2番目に高額入札を入れたアゼルバイジャン籍のMagomed Gurbanov氏が落札(落札価格:154万8966ラッツ)したことになるんだが、それも上手くいかず、今回の競売、そして落札となっている。
当初155万ラッツ(約2億4490万円)もした物件がたったの17万ラッツでの売却となり、ラトビア政府としても収入増を期待したが、流石にそう簡単にはいかなかったようだ。