再建中のスカンジナビア航空(SAS)が本気で傘下のエストニア航空の売却を目指しているが、エストニア政府としては当初の意気込み通り全株の取得を目指しているという。
エストニア政府は、ナショナルフラッグであるエストニア航空の再国営化を目指してきたが、当初はSASは売る気はなく、売る気を見せても物凄いプレミアムを乗せた売却額を提示するなどしてこれまでエストニア政府を牽制し続けてきた。
ところが、自身が経営難に陥り、傘下企業をばら売りせざる得なくなったことからここが兆時としてエストニア政府も本腰でエストニア航空株の取得にあたっている。
既に両者の間では売却合意はされており、今後はエストニア政府が株式90%を所有し、残る10%をSASが保持し続けるというものだという。
同時に増資も行う予定で、増資総額は2億8000万クローン(約19億7000万円)、そしてエストニア政府はSASに対し1億1550万クローン(約8億1200万円)のローンの支払いを実施することになる。これによりSASはエストニア航空に与えていた約3300万クローン(約2億3200万円)相当のローンの転換を行い、SASからの増資分と相殺させることになる。
今契約では、エストニア航空がSASに対して残す債務の支払いが完了すれば、SASが所有する残る10%の株式の買取もエストニア航空に与えられている。
因みに現在のエストニア航空の株主構造はSASが49%、エストニア航空34%、投資銀行Crescoが17%となっている。