エストニアが中国の列車メーカーから電気機関車の購入を決定したという!この時期にわざわざこの種の決定をしなくてもと思うのだが、果たしてキチンと調査しての結果だったのだろうか?!
今回、エストニアに列車を販売することを決めたのは中国北方機車車両工業集団公司(CNR)で、一般的に、中国北車集団と呼ばれている。
中国北車が、というか、中国の列車メーカーがヨーロッパで初めて売買契約を勝ち取れたのが今回のエストニア案件である。
中国北車の子会社である北京二七軌道交通装備有限責任公司から購入を決めたのはエストニアのAS EVR Cargoで、今後2年間に最大出力1500キロワットの電気機関車16台を購入するといったものとなっている。
用途は旅客車や貨物車を牽引する動力としてのものが予定され、一般的に欧州では機関車の輸入条件が厳しく決められていることから、今回の契約が今後中国企業の欧米進出に拍車をかけるきっかけになると中国側は喜んでいる。
しかしながら、7月に中国で発生した高速鉄道事故直後での機関車購入ということもあり、今回の契約が不安視されてもおり、同時に中国メーカーの海外進出に拍車がかかるという期待は思うほど大きくないとも見られている。
中国では列車メーカーは大手2社が市場を独占しており、今回の中国北車と中国南車(CSR)というのがある。
浙江省温州で起きた高速鉄道事故で事故を起こした車両は中国北車のもので、また、北京-上海間の高速鉄道でいくつもの故障を起こしているのも中国北車製のものであった。
また、中国メディアによると、7月1ヶ月間に発生した高速鉄道の故障件数は168回あり、内86回が中国北車の子会社製のものだという。
事故、故障を多数起こしている中国北車から今回電気機関車を購入することを決めたエストニアは果たして最善の選択をしたのだろうか?!
ただ、価格だけで決定したと見做される結果が発生でもすれば、取り返しのつかないことにも成り兼ねない。
まだ、最終的な事故原因が発表されていない今、今回の売買契約を結んだことに大きな懸念を感じる。