アイスランドがIMF(国際通貨基金)に緊急支援を願い出たが、この動きに追随するようにハンガリー、ウクライナもIMFに救援を求めた。
IMFでは既にバルト3国も経済危機が高まっており、最悪、経済支援を求めるのではないかというレポートを最近出している。
不動産バブルが崩壊し、金利上昇(今後は下落)や高インフレ(漸く落ち着き始めた)、賃金の低下懸念などもあり、資金余力がなくなってしまっている市民等にこの経済環境を耐え抜く力があるかが疑問されている。
実際、エストニア、ラトビア、リトアニアは、経常赤字の割合が特筆して高く、このままならこの金融危機を耐え抜けるかは極めて不透明だ。
アイスランドが銀行の国有化や通貨の取引中止などを行ったことからも最悪、バルト3国の通貨は見直しせざる得なくなるかもしれない。
現在、ユーロにペッグされてはいるが、実際の価値が今の価値に見合っているかはこれまでにも長らく疑問が掛けられていた。
バルト3国の各通貨がアイスランドのようにはならないという保証は何もないのだ。
ただし、バルト3国の金融システムは極めてスウェーデンに依存していることから、スウェーデンがこけない限りは何とかこの状況を切り抜けられるかもしれない。
この点に関しては、アイスランドとは極めて大きな違いとなっている。
アイスランドに預金していたイギリスの地方自治体や金融機関、個人、法人も資金を引き出せず、またアイスランド・クローナの大暴落でしの価値自体も大きく目減りさせているだろう。
これが実際にバルト3国に起こってしまったら、この経済環境を生き残ることは難しいだろう。
スウェーデンに金融システムを依存しているからまだ安全だとの声があるが、そのスウェーデンが通貨をユーロに変えてしまうかもしれない。
それだけでは何も問題ないが、紐を解けば自国通貨の信用が落ちており、誰もスウェーデン・クローナを価値のある通貨だと見なさなくなる危険性があるということだ。
バルト3国に話を戻すが、エストニア、ラトビア、リトアニアでは今年大量の借入の借り換えを行わなくてはならない。
これだけ世界の金融市場が信用不信を起こしていれば、明らかに市場からは資金調達は出来ない。
となると最後の砦はIMFとなるが、そのIMFだって規模には限りがあるだろう。
ラトビアにはGDPの79%に匹敵する262億ドル(約2兆6200億円)の借入の満期が今年迎える。
エストニアでもGDPの77%相当となる184億ドル(約1兆8400億円)の返済が年内に必要となる。
リトアニアもGDPの53%分の250億ドル(約2兆5000億円)の返済が迫っている。
各国はこれらを今年中に返済しなくてはならない。
では、どこからこれだけの資金を調達するのかが今、最も危惧される。
さてさて、何処まで金融市場で資金調達出来るのか?そしてIMFはお金を貸してくれるのか?
年末を無事迎えられるか否かは、枕を高くして眠れない。。。