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露、ウクライナのスーパーリッチ! |
ロシアから32人の10億ドルを保有する大富豪が現れたことをアメリカ経済紙フォーブスが発表し、その中のロシアトップは世界第11位に上り詰めた。 所謂スーパーリッチという言葉が当てはまる面々が3月9日に発表されたが10億ドル以上の資産を持つ大富豪は世界で102人増えて793人となった。793人の資産総額は2兆6000億ドルとなり、前年からは18%も増加した。 今回の特徴は、特に発展途上国において多数の大富豪が生まれたことが注目されており、ロシアでは05年2月から06年2月の1年間に株価が108%の上昇を記録したことを受けて多大な恩恵を受けた企業オーナー各者が持ち株の時価総額が急激に拡大したことでスーパーリッチが多数誕生する下地を生んでいる。同じくBRICsの一角を占めるインドでは株価は同期間54%の上昇があり、ブラジルでは38%上昇した。 世界を見渡すと、今年も世界第1位の大富豪には12年連続で米マイクロソフト社社長のビル・ゲイツ氏が資産総額500億ドルでトップに立ち、同じく今年も常連となったバークシャーハザウェイのウォーレン・バフェット氏が20億ドル資産を減少させたが総資産420億ドルで世界第2位となった。 世界トップ100にリストされたロシア人は計12人に上った今年度の調査では、チュコトカ自治管区の知事で英サッカークラブ『チェルシー』のオーナーでもあるローマン・アブラモビッチ氏が資産182億ドルでロシア第1位となった。 世界第37位でロシア第2位となった露石油会社最大手のルクオイルで代表を務めるヴァギト・アレクペロフ氏の資産は110億ドルとなり、鉄鋼産業の重鎮と呼ばれるウラジーミル・リシン氏は資産を107億ドルまで伸ばし、世界41位に上り詰 めてきた。 ロシア第4位には、石油大手TNK-BPとアルミ大手のSUALの共同経営者の一人であるヴィクター・ヴェクセルベルグ氏が世界44位で資産総額は100億ドルとなった。 5位以下には、金融グループであるアルファグループのミハイル・フリードマン氏が世界50位で資産97億ドル、世界61位となったSUALで社長を勤めるオレグ・デリパスカ氏が資産78億ドル、鉄鋼王Alexei Mordashov氏は世界64位で資産は76億ドル、ナフタ・モスクバ投資グループオーナーのSuleiman Kerimov氏は初のスーパーリッチの仲間入りを果たし資産総額は71億ドルで世界72位となった。 その他には、ノリリスク・ニッケルの主要株主であるウラジミル・ポタニン氏とミハイル・プロホロフ氏の両者が89位タイで、資産は64億ドルとなり、マイクロチップから玩具屋まで手掛けるシステマのウラジミル・エヴトゥシェンコフ氏が資産63億ドルで世界93位につけ、最後に世界94位となったTNK-BPでCEOを勤めるゲルマン・カン氏が資産61億ドルとそのそれぞれの富豪振りが顕著となった。 今回女性で唯一スーパーリッチにリストアップされたロシア人として建設事業で財を成し、モスクワ市長Yury Luzhkov氏の配偶者でもあるYelena Baturina女史が資産23億ドルで世界第335位に顔を見せた。 ウクライナのスーパーリッチとして世界の大富豪にリストアップされたのは計3人で、ウクライナ第1位の大富豪にウクライナ最大の鉄鋼鉱山会社クリボリシスタリを営む若干39歳のリナト・アフメトフ氏で、資産総額は170億ドルで世界451位となった。アフメトフ氏の資産は昨年、鉄鋼価格の下落などが響き1年で30%近く減少した。また、3月26日に行われる議会選挙で議席を狙っており、首相の座も視野に入れている。 その他には、前大統領レオニード・クチマ氏の娘婿であるビクトル・ピンチューク氏(45歳)と鉄鋼大手ドンバスの大株主で鉄鋼女王と呼ばれるSerhiy Taruta女史(51歳)がそれぞれ世界645位で総資産は12億ドルであった。 |