オイルマネーと国家政策(ロシア)

投稿日時 2006-12-1 2:01:00 | トピック: Russia

ロシアは東欧の中でも外国からの投資対象国として最も人気のある国の一つとなっている。過去3年間にロシア経済は毎年6%以上の経済成長を続けており、国際通貨基金の予測でも今年は6.5%の経済成長が予測されている。

産業構造の転換を急ぐロシア政府では、現在製造業の発展を目指している。

対ドイツ輸出は今年1月から既に26%以上の増加を記録している。中国企業も今年約7億ドルをロシアに投資しており、今年ロシアに投資された直接投資額の5%を占めている。昨年ロシアに投資された直接投資額総額は130億ドルであった。

一方でロシアからの外国直接投資も同様に急拡大しており、2000年度の200億ドルから05年度末時点では6倍増となる1200億ドルにまで急増している。

国内消費の急拡大により経済成長が好調なロシア経済は、特に減税や所得の拡大により支えられている。しかしながら好調な経済もその殆どを石油ガス産業が齎しているといった偏った経済構造だが、エネルギー収益からの安定化基金への貢献は、今年300億ドルを齎し、同基金自体は740億ドルにまで拡大している。

天然資源が齎す巨大収益に興ずる現在だが、これまでにインフラ整備などへあまり投資をしてこなかったエネルギー業界の生産施設は既にフル稼働状態にある。ロシアの石油生産高はこれまでの年間10%の伸びから今後は2〜3%の水準にまで落ち込むことが危惧されている。

ロシア政府は巨大資金を生み出す石油産業を踏まえ、余裕のある今の内に国家プロジェクトとして住宅建設、保健衛生、教育、農業などに焦点をあてていくことを目指している。

実際に、これらの計画には06年07年度中に約160億ドルを投下していく計画を立てている。


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