米ブルームバーグによると、露ガスプロムが年末までに天然ガス価格が1000立方メートルあたり500ドルに達すると示唆している。
世界最大のガス会社が目標ガス価格を示唆したものと見られ、今後価格の動向が注目されることになる。
実際にガス価格が500ドルの水準に達した場合、ガス価格は現状からは22%も値上がりする事になる。天然ガス価格の高騰は、過去最高の144ドル/バーレルといった高騰を見せる原油価格とリンクして価格が決められていることから、原油価格の高騰が落ち着きを見せない限り、値下がりすることはない。
ムーディーズが世界的な金融市場の環境悪化によりロシア企業も資金調達に苦労し、何かしらの影響を受けることになると示唆している。
ロシア経済は天然資源の支えられたエネルギー産業や通信産業などが主要産業となっているが、長期的な投資が成されてこなかったことから今後は急速な支出が必要となり、資金調達が必須とみられている。
しかしながら、世界的な金融収縮により、市場からの資金調達は何度を極めることから、容易に資金を調達することは出来ないとの意見が大半を占めている。
零細系の銀行で住宅ローンを提供している銀行が資金ショートを起こし経営の危機が危ぶまれている。
ロシアでは住宅ローンを取り扱っている銀行の3分の1が資金ショート懸念が持ち上がっている。アメリカの住宅ローン問題を機に住宅ローン証券市場への安全性が危惧され、金利が上昇し続け、以前LIBOR+1.5%で借りられたものが、今はLIBOR+4〜5%と金利が高騰している。
この金利高を背景に銀行業界では住宅ローンの証券化を諦め、一部の銀行では債権を競合他行へ売却するところも出始めている。
Gorodskoi Mortgage BankのNikolai Shitov代表は、アメリカでのサブプライム問題発生以降、借入れ金利はLIBOR+3%にまで上昇していることからも今は住宅ローンの証券化は最適な時期ではないとの私見を述べている。
Alfa Bankの住宅ローン事業部部長であるIlya Zibarev氏も与信ポートフォリオはLIBOR+4〜5%で売買されており、以前のLIBOR+1.5%から大きく上昇していると指摘する。
この流れの中、ロシアの銀行では証券化への資金調達レートは既に9〜11%という高率で借り入れざる得なくなっている。
Gorodskoi Mortgage Bankでは、市場の変化をチャンスと見なし、国内の大手銀行との間で彼等が抱える住宅ローン債権の買取を打診している。同行では10%を超えるディスカウントの安値で売りを急ぐ債権を5億ドルあまりで買い取っているという。
同行は、住宅ローンを提供する資金ショートしかけの国内銀行の30〜40%あまりが今後2〜3ヶ月で大きな焦げ付きを出すと予測している。
石油大手のロスネフチ(Rosneft)が子会社から金利0で50億ルーブル(約2億ドル)以上も借り入れるという。借入れ期間は1年となるが、借金は旧ユコスの傘下企業からとなっており、借金の用途も旧ユコス傘下企業の買収資金として一部が使われるという。
これまでにロスネフチはユコス資産を買収する為に220億ドルを借り入れており、当初はユーロ債50億ユーロを発行し、組織編制を行う計画を立てていた。
今回融資に参加するのはAngarsk Petrochemical CompanyとTomsknefteproduktの2社で、融資期間1年間で金利0%で50億ルーブルを融資するという。
融資の割り振りは、Angarsk Petrochemical Companyが大半となる49億6000万ルーブル(約1億9570万ドル)、そして残り分1億3400万ルーブル(約530万ドル)をTomsknefteproduktが担当する。
ロスネフチの説明では、得た資金は新たな投資計画と債務の支払いに向けることになる。
ロシアの証券市場が世界のどの市場と比較しても値頃感と魅力的な市場として注目を浴びる一つの市場であるとクレディスイス・アセットマネージメント社のRobert Parker副会長がロシア及びCIS投資フォーラムの場で述べている。
同氏は、投資家にとってロシアへの投資の為の資金調達は実際の所中国、トルコ、インドの何処の国と比べても廉価であり、投資リターンを考えると投資に値する市場であると考えているという。
また、同氏は、『ロシアの証券市場は、アメリカに発したサブプライムローン問題の影響による世界的な株価下落に影響を受けてはいるが十分投資に魅力的な市場であることに違いない』とロシア市場への投資を奨励している。