米ブルームバーグがエストニア、ラトビア、リトアニアがユーロの導入を諦めないというのであれば、唯一の手段として通貨の切下げを断行し、相応な水準に戻してからでないとユーロの導入所かこの経済不況を乗り切ることは出来ないだろうと報じたBank of America Corp.のレポートを紹介している。
バルト3国のインフレ率はユーロ圏平均の3倍を超えており、国内経済も急激に冷え込んでいる。
通貨切下げ論には、9月にラトビアのIlmars Rimsevics中央銀行総裁が非現実的なシナリオだと一蹴しており、同様にリトアニアのReinoldijus Sarkinas総裁もペッグは維持され、為替水準は変更されるべきではないと言及している。
ラトビア労働局によると、この10月末に6万1049人が失業申請を行ったといい、これにより失業率は5.6%にまで上昇したとLETAが報じている。
9月との比較では、2062人の失業者増となっている。
国内で失業率が改善した地域は2地域しかなく、変化なしは1地域で、残りの30地区で失業率は悪化している。
国内で最も失業率が高かったのはレーゼクネ地区(Rezekne)で16.6%を記録している。
大手旅行会社Eurotour Ltdが経営難から破綻を申請した。
経済ニュースBBNによると、同社は経営難に直面しており、会社の清算手続きに入ったという。
同社は主にインド、タイ、アフリカなどのパック旅行を手掛けてきたが、既に全てのツアーをキャンセルしたことを顧客にも通知している。
エストニアでは最近でもHappy Travelが破綻しており、経済危機によるビジネス減により、経営が困難になる企業が続出している。
西エストニアのリゾート地ハプサル(Haapsalu)で地元最大の工場2箇所が解雇を予定しており、失業者が急増するという。
地元紙Postimeesによると、PKC Estoniaではハプサルの従業員400人、そしてエストニア全土では計1000人の就労時間を短縮する計画だという。
短縮期間は11月24日から翌年2月23日までで、その後は未定だとしている。
ハプサルのLeo Mander工場長は、2月以降は顧客先であるスウェーデンやオランダ、フランスからの発注次第だとし、既に今月に入って41%もの減産に追い遣られている現状を踏まえると、先行きは厳しいという。
その他ではドアや窓を生産するHaapsalu Door and Windowでは、既に112人の従業員に就労時間の短縮を求めており、今週初めから1日5時間の労働時間で生産ラインを動かしている。
同社でもこれまでに従業員163人中解雇を言い渡したのは数人に過ぎないが、今後、受注が元に戻らなければ、更に解雇に踏み切らざる得ないとしている。
米ブルームバーグがラトビアの金融当局がParex Banka ASの救済の他にも国内銀行への資本注入もあり得ると報じている。
ラトビア政府はParex Banka ASへ約2億ラッツ(約352億円)を注入し、金融機関の資金繰りの危機には柔軟に国有化も辞さないという態度を示しており、国内の他25行の銀行にも場合によっては資本注入の可能性は否定できないと見られている。
世界的な信用市場の崩壊により多くの金融機関が市場から資金を調達出来ずにおり、Parex Banka ASも独自の資本調達に失敗したことを受けて国有化が実施されている。