国営石油最大手のロスネフチがTiman-Pechora石油ガス田事業開発でアジアの提携先とは協調しない一方で、サハリン事業では協調していく意向を強めている。
ロスネフチでは、中国のCNPC及びSinopecとの間で石油ガス田開発事業における協力の覚書を署名したが、実際にどの地域のどの分野で協力していくのかは全く明らかになっていない。
ロスネフチによると、CNPCからはVankorの石油生産で協力する提案があったことは認めるが、それ以上の詳細はないという。ロスネフチは、提携先企業には事業協力する地域を削減する意向で、事業協力はサハリンなどのアジアよりの地域に留めると見られている。
開発コストがTiman-Pechora石油ガス田開発より1.5倍から2倍掛かるサハリン沖油田開発をアジアマネーで進め、コストが掛からない油田開発には独自に進めるという事業戦略に舵を取ろうとしている。
ロシアの携帯電話大手VimpelComの役員会が同社初となる配当を示唆している。VimpelComでは、今回3億3000万ドルを配当とする計画で好調な事業を背景に流動性資金が増加したことから配当を決めている。
配当の配分は、米国預託証券(ADR)一枚につき約1.6ドル、計3億3050万ドルとなっている。
最終的には6月29の株主総会で配当を決定することになる。同社の大株主にはアルファグループ傘下のAltimoが42.2%を保有し、次いでノルウェーのテレノール(Telenor)が26.6%を所有している。
同社の昨年度の純利益は8億1500万ドルから8億6500万ドルと試算されており、配当は大体利益の40%近くを占めることになる。
同業のMTSが既に利益の50%を配当することを先週発表していることから、通信業界では配当ラッシュとなる雲行きだ。因みにMTSの配当総額は6億ドルとなっている。
自社株の買い戻しに飽き足らずユコスが保有するその他の石油生産資産にも買収の興味をロスネフチが示している。
国営の石油会社ロスネフチでは、依然ユコスが抱える豊富な石油資産を可能な限り買収したい意向を先日の自社株買戻しの競売で落札に成功した後に明確に明らかにした。
先日、ロスネフチの子会社RN Razvitiyeが競売でロスネフチ株9.44%を約76億ドルで落札に成功した。同競売では、ロスネフチの10億株(9.44%)と共にユガンスクネフチェガスの約束手形35億6000万ルーブル(約1億3700万ドル)が競売に掛けられていた。
ユコスでは、依然トムスクネフチ、サマラネフチェガス、東シベリア石油/ガス会社、アンガルスク・ペトロケミカル社などの他にSyzran、Achinsk、Kuibyshev、Novokuibyshev、Strezhevskなどの石油精製会社などを所有している。
ファンド総額10億ドルの巨大ファンドをBaring Vostok Capital Partnersが立ち上げることが明らかになった。同ファンドでは、ロシアの他にウクライナ、カザフスタンなどの企業へ投資していく。
新ファンドの立ち上げを同社では、2月末から続く株価調整の中、株価が適正価格に戻したとの判断から投資を決定したという。
その他にも国内最大の投資ファンドの一つを運営するHermitage Capital Managementも先週、新たなファンドを設立し、ロシアの他隣国の新興国へ投資を拡げていくことを発表している。
Baring Vostokでは、ファンド資金は、欧州の他、北米、中東、アジアなどから調達するという。
既にまたしてもこれまで通り中露の石油取引は式典倒れになる可能性が出始めている。
ロシアの国営大手で石油会社ロスネフチと中国の大手石油会社Sinopecの間で話し合われていたロシアからモンゴルのNaushki経由で中国まで輸送する石油売買契約が座礁したことが明らかになった。
今契約では、契約高は10億ドルにも上る大型契約であった。これまでにロスネフチとロシア鉄道の両社はSinopec向けの特別運送料の価格設定で合意しており、全てが水の泡となった。
これにより、ロスネフチは中露国境を介するZabaikalskルートのみを維持することになり、同社と中国の別の石油会社CNPCとが結んでいる契約のみが中国向けの販売ルートに留まることになる。