昨年ロシアから海外に流れた資金(キャピタルフライト)が03年度期比で4倍増を記録し、依然05年第1四半期でもその流れが変っていないことが明らかになった。
ロシア中央銀行によると、昨年1年間にロシアから海外へ流出した資金は、2003年度の19億ドルから94億ドルに拡大し、今年に入ってもその傾向は継続しており、年初からの3ヶ月間で9億ドルのキャピタルフライトを記録した。
2004年1-3月期のキャピタルフライトは、42億ドルに達していた。
ロシア・アルミニウム(RusAl)がオーストリラリアのQueensland aluminum works(QAL)の株式の買い増しを実施し、保有株式比率を最低でも22%まで引上げた。
RusAlは先週末、Kaiser AluminiumからQAL株の取得を完了させたことを発表していた。ロシアに本社を置くRusAlは昨年10月にQALの株式20%を4億100万ドルで落札し、同時にKaiser Aluminiumが抱えていた6000万ドルの債務を引き継ぐことを決めていた。
QALの株式取得によりRusAlには年間77万トンのアルミナが齎され、年間100万トン以上の生産高を助長させると見られている。
また、Kaiser AluminiumはRusAlとの間で、保有する全てのアルミナを引き渡す契約を結んでいる。
鉄鋼会社Mittal Steelの最高執行役員ラクシュミ・ミッタル氏(Lakshmi Mittal)の資産がロシア人の大富豪ロマン・アブラモヴィッチ氏(Roman Abramovich)の資産価値を上回り英国一となる148億ポンド(276億ドル)となった。4日英サンデータイムズが伝えた。
インド生まれの今年54歳になるミッタル氏は、若干38歳のロシア人大富豪アブラモヴィッチ氏を2位に追いやりサンデータイムズが順位付けする英国大富豪トップ1000人の堂々の第1位となった。
1000人に選ばれた各富豪の資産総額は、1年間に23%の拡大を記録し、2500億ポンドまで膨れ上がった。
今回第2位となったアブラモヴィッチ氏の資産は、750億ポンドで、その殆どはロシア第5位の石油会社シブネフチ(Sibneft)の資産から齎された。同氏は03年7月に英サッカーチームのチェルシー(Chelsea)を5900万ポンドで買収し、その後2億5000万ポンドを投じて有名選手を掻き集めている。
今年初のトップ10入りを果たしたのは、世界第3位のアルミメーカーRUSAL(ロシア・アルミニウム)の株主で37歳のロシア人オレク・デリパスカ氏(Oleg Deripaska)が資産総額43億8000万ポンドで第6位に順位された。
05年度版 英国版大富豪トップ6
1. Lakshmi Mittal(鉄鋼業) 279億ドル
2. Roman Abramovich(石油業) 141億ドル
3. Duke of Westminster Property(不動産業) 105億ドル
4. Hans Rausing(包装業) 93億ドル
5. Philip and Christina Green(小売業) 91億ドル
6. Oleg Deripaska(アルミ業) 82億ドル
情報元:ブルームバーグ
ロシアの2大小売チェーンのPerekriostokとSeventh Continentが合併に向けて話合いが持たれていることが30日明らかになった。
PerekriostokのAlexander Kosyanenko代表とSeventh Continentの経営陣の両者が30日に合併について最終的な話し合いの場を持っていたことを認めた。
今回両者による合併へ向けた話合いが持たれていたことが初めて公になり、将来に向けた巨大小売チェーンの株式公開(IPO)への軌跡となると期待されている。
Perekriostokでは、モスクワに98店舗を展開しており、他の地域に10店舗を展開している。同社の04年度の売上高は、税引き前で7億6600万ドル(税引き後では6億6000万ドル)であった。
一方のSeventh Continentでは、昨年末の時点で77店舗を全国に展開しており、今年第一4半期中に新に3店舗をオープンさせる予定である。
03年度のSeventh Continentの売上高は3億4220万ドルであった。(04年度分の決算は現在の所、未報告)しかしながら、昨年1-6月期の売上げは、2億2650万ドルに上っていた。昨年Seventh Continentは株式を公開しており、15%分の株式を売り出し、23億ルーブルを市場から調達している。
両社の合併話は、過去数年の間噂され続けてきていた。5年前には両社の合併が唯一外資の小売チェーンに対抗できる唯一の選択だと見られていた。
ロシアの労働人口がこの10年で急速に減少するかもしれない。今後、労働力が減少し始めた場合、隣国から労働力を国家政策として集める必要が出てくるかもしれないとズラボフ保健・社会発展大臣が30日警鐘を鳴らした。
今後4年間は順調に労働人口は増加すると見られるが、2009年を境に労働人口が急降下する危険性があることをズラボフ大臣が示唆した。
同大臣によると、既にロシアでの労働人口の減少は始っており、ただ旧ソ連邦諸国からの労働力の流入により、減少に歯止めが掛かっているように見えるに過ぎないというのが現状である。
既に数十万人にも及ぶモルドバ、ウクライナ、タジキスタンなどからの労働者が3Kとされる業務に従事しており、特にロシアの建設業や貿易産業の賃金が極端に低い産業に隣国などからの労働者が集中している。
04年12月の時点で、ロシアには1億4400万人の人口があり、その内7900万人が労働人口とされている。このまま経済が急拡大を続けた場合、ズラボフ大臣の懸念が現実問題になりかねない。