ロシアの天然ガス最大手ガスプロムがロシア政府がガスプロム株10.7%の取得の為に支払う現金で石油大手ユコス傘下のサマラネフチェガスおよびトムスクネフチを買収したいとしていることが明らかになった。
ガスプロムに近い筋の話として、先週、ガスプロムがもしユコスが追徴課税の支払いの為に同2社を売却する場合には、買収に名乗りを挙げるとしている。
ガスプロムとしては、既に国営の石油会社ロスネフチと合併することが決定していることから、今回の報道の信憑性は不明ではあるが、ロシア初の石油メジャー誕生の可能性からサマラネフチェガスとトムスクネフチの買収は噂の域といった類の話ではないと見られている。
また、その他にも、ガスプロムは石油大手シブネフチや露英TNK-BPへの資本参加なども噂されている。
市場では、もしトムスクネフチが入札された場合、40億ドルから入札価格が開始されると見られている。同時にサマラネフチェガスは、16億ドルと試算されている。
05-07年に計画されている株式公開により投資家へ38億から54億ドルの負担を強いることになるかもしれない。
今年ロシアでは、前代未聞の株式公開ブームに沸く一方、株式市況はパッとしておらず、市場では株式市場への懸念が叫ばれるようになった。
証券ブローカーのAton Capitalによると、「市場の低迷は、新規発行株の供給が過多になっているからでは?」という意見が多く、株式市場に対するリスクが懸念され始めている。背景には、今後2年間にIPOを計画している企業が多く、資金調達を市場からと考えていることにあると見られている。これらの企業は、総額で最大54億ドルを市場調達する見込みだ。
ロシアでは今年年初から発行された新株は総額で29億ドルに達しており、昨年から既に2倍増となっている。直近に株式公開を果したスーパーマーケットチェーンのPyatyorochkaでは、市場から6億ドルを調達し、同様に鉄鋼会社EvrazHoldingでは今月に4億2200万ドルの資金調達に成功している。
国内大手石油会社ユコス(Yukos)が2005年第1四半期に48億6400万ルーブルの損失を計上したことを8日発表した。ユコスでは、昨年の第1四半期に24億ルーブルの収益を計上していた。
損失幅は昨年第4四半期から顕著になり、昨年の第4四半期には2347億7000万ルーブルの巨大赤字を出していた。同社では、赤字計上の背景を事業規模の削減などが大きく影響したとしている。
ロシアの連邦資産局は8日、国内最大手天然ガス会社ガスプロムとの合併を踏まえ、国営の石油会社ロスネフチ株100%をロスネフチェガスへ譲渡したことを明らかにした。
ロスネフチ‐ガスプロム合併計画は、中央政府にガスプロムを実質支配できることを許すことを意味する。
合併の為とも言える特別に設立されたロスネフチェガスへロスネフチ株を完全に譲渡させる為に、ロスネフチェガスでは新に新株を発行し、調達した資金はその支払いに振り向けたとしている。
露大手天然ガス会社ガスプロムが事業3年計画の中で、欧州諸国への販売価格とバルト諸国向けの販売価格を順次統一していく予定であることを7日明らかにした。
現在、ラトビアへは、天然ガス1000㎥あたり92−94ドルで卸しており、リトアニアへは85ドルで卸している。また、エストニアへの卸価格は90ドルとされているが、ポーランドへはより高値での購入を強いている。
ガスプロムは、例え販売価格を引上げたとしてもロシア産ガスの競争力は変らないという判断で、販売価格の引き上げを行うとしている。
2004年度にガスプロムが販売した天然ガスは、ラトビア15億㎥、リトアニア29億3000万㎥、エストニア9億2000万㎥であった。