格付け会社大手のS&Pが1日ロシアの銀行業界についてのレポートを発表し、将来の経済予測の中で中小規模の銀行は淘汰され、大手や財務内容が健全な銀行のみが生き残るといった内容となっている。
国内で大手とされるAlfa Bank、Gazprombank、International Moscow Bank、MDM Bank、Rosbank、Uralsib、Vneshtorgbankなどの大手銀行では経済環境の改善と拡大およびローン分野の市場拡大などの恩恵を最も受けている。
同レポートでは、これらの銀行は将来もし経済破綻や景気後退があったとしても存続の危機は不安されることはないとしながら、中小銀行1000行は市場から消えることになると分析されている。
今回の調査では、大手のSberbankとBank of Moscowは対象から外されている。
ロシアでスーパーをチェーン展開し、今年ディスカウントスーパーを展開するPyaterochkaと合併作業を進めているPerekriostokが31日06年第1四半期の決算内容を発表した。
Perekriostokの今期の売上高は45%拡大した3億2340万ドルに達し、収益は必要経費などを除くと36%増加した1100万ドルであった。
第1四半期中にPerekriostokはスーパー6店舗とハイパーマーケット1店を新規に開店させている。年内には新たに40店舗の開店を計画している。
一方で合併作業を進めているPyaterochkaの第1四半期決算は、売り上げが拡大した一方、収益は後退した。詳細は、収益は5%減となる2120万ドルで、売り上げについては41%増の4億3890万ドルであった。
Pyaterochkaの収益減は、05年度に大きく収益が伸びたことへの反動と見られ、05年度は04年度の7440万ドルから9120万ドルにまで収益が拡大していた。
電力大手のモセネグロ(Mosenergo)は31日、05年度分として4億5390万ルーブル(約1680万ドル)を配当とすることを発表した。
モスクワ及びモスクワ周辺地域で電力事業を展開するモセネグロは5月26日の株主総会で今回の配当を可決したことを明らかにしている。
同社は05年度に18億6000万ルーブル(約6500万ドル)の収益を計上した。同社がモスクワへ供給する電力量は市全体の必要量の80%に達し、首都周辺地域へも需要の85%を供給している。
同社の大株主には、ロシアで電力事業を独占するUES(Unified Energy System)と天然ガス最大手のガスプロムの2社で、それぞれ50.87%と約25%の株式を保有している。
露フラドコフ首相は29日、06年1月から5月15日までのインフレ率が昨年同期の6.8%から5.6%まで低下していることを予算委員会で発表した。
同首相によると、今年の第1四半期のGDPについては、昨年同期との比較で4.6%の拡大となり、工業生産高3%、資本投資5.1%、実質可処分所得8.3%のそれぞれ増加を記録した。
予算委員会は07年-09年度のGDP成長率予測を承認し、年間GDP成長率は5.7%を維持することが承認された。その他には、ウラル原油の計画価格についても07年度が1バーレル58ドル、08年度53ドル、09年度48ドルと予算計上上の価格として承認されている。
ロシアの大富豪として著名なローマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich) 氏が国内第2位の大手鉄鋼メーカーEvrazの主要株取得へ動きを活発化させていることが30日明らかになった。
アブラモビッチ氏は、既にEvrazとの間で株式40%の取得で協議に入っているという。
先週発表されたセベスタルとアルセロールの合併報道を受けて、業界の有力者であるAlisher Usmanov氏は国内大手の一角を担うEvrazとMMKが絡んだM&Aが必然となるとの見通しを29日示唆している。
Evraz Groupの主要株主は、Alexander Abramov氏とAlexander Frolov氏の両氏で、29日に株式の一部売却を踏まえた協議を持っていることを認めるコメントを発表した。
Evraz株40%の取得にアブラモビッチ氏は30億ドルを投じると見られている。