ロスネフチが今回のIPOにより自社株10%を放出することで100億ドルを調達することになるだろうと銀行筋が示唆している。
もし10%の株式で10億ドルを調達できれば、同社の企業価値は1000億ドルと評価されることになり、ロシアでも有数の大企業の誕生となる。
産出量で国内シェア第3位のロスネフチは6月23日から7月10日までの間、株式をIPOにかける。金融機関では、7月14日にはIPOは完了すると見ており、サンクトペデルブルグで予定されるG8前までにロシア企業の大々的な世界デビューが成功することになる。
依然、ロスネフチでは放出株式数や売り出し価格帯に関して言明しておらず、あくまでも市場予測として10%の株式公開を予測している。
10%の株式が10億ドルの評価を得れば、国内最大手の石油会社ルクオイルの市場価値を400億ドルも上回ることになる。9日の時点でのルクオイルの市場価値は、604億ドルとなっている。
国営の大手ロシア石油会社ロスネフチが12日、公式に国内外の投資家向けにロンドン、モスクワの両都市で株式を公開することを発表した。
ロスネフチではロシア国外の投資家向けとしてグローバル預託証券(GDRs)を普通株の変わりとし、一方で国内投資家向けには普通株を市場で公開するとしている。今回のIPOでは少なくとも同社株30%強が売りに出されることになる。
今回株式公開を予定している証券市場は、ロシアではRTS証券市場とMICEX市場の2つで、外国ではロンドン証券市場となっている。
ロスネフチと親会社であるロスネフチガスの両社によると、今回のIPOではロンドン市場に関してはABN Amro Rothschild、Dresdner Kleinwort Wasserstein、JPMorgan、Morgan Stanleyなどが幹事となり、国内市場ではスベルバンクやその他にAlfa Bank、Aton、Gazprombank、Renaissance Capital、Troika Dialog、Deutsche UFG、Uralsibなどが幹事を引き受けることになっている。
ロスネフチはロシア石油業界トップ3の一つで、05年度には原油およびガス・コンデンセート7460万トンを生産している。
このところの株価下落により株式公開を計画する企業各社にも計画変更の余波を与えそうだとロシア連邦金融市場サービスのOleg Vyugin代表が示唆している。
機関投資家の多くが新興市場への株式投資を警戒し始めており、市場崩壊のリスクが懸念されることで、市場への投資を控えたり、投資資金の回収を急ぐなどの傾向が強まっている。
このまま株式市場の停滞が続くようであれば、株式公開を計画する企業の多くが時期が悪いとの判断から、IPOを取り止めるか延期することになると見られている。
この傾向が実際にどういった結果を生むかは6月13日に株式公開を控えるロスネフチの株式公開の成功如何に左右されるとみられ、同社のIPOが市場参加者からより強い注目を浴びている。
ロシアへの投資熱が冷め始めているとビジネスコンサル大手のErnst & Youngが9日レポートを発表した。
これまでロシアは世界の中でも投資対象国として上位に組み込まれていたが、昨年までの第8位から今年度はトップ10から姿を消してしまった。
同社レポートでは、ロシアの競争力は既に過熱気味で且つビジネス環境では十分な改善が望めず、競争力をつけつつある諸国との比較で投資を呼び込む魅力に欠けていると今回の低評価となった。
今回のレポートでは中国とアメリカが最上位を分け合い、次いでドイツ、インド、ポーランドがトップ5の評価を受けている。
RTS証券市場が8日から原油及び石油製品の取引を開始した。これでウラル原油、ディーゼル石油、ジェット燃料、重油などの先物取引やオプション取引を07年6月まで行うことが出来るようになる。
先物取引の取引では、対象商品全てがプラッツから取得したデータを基にルーブル建てで価格付けされる。契約は1ヶ月が最長満期期間とされ、最低マージンは契約額の10%と定められている。
この5月10日にプーチン大統領が石油輸出に関し、石油の売買契約をルーブル建てで取り扱う市場の創設を言明していた。