中国当局がIPOを控えるロシアの大手石油会社ロスネフチの株式取得で中国石油天然気集団(CNPC)か中国石油化工股份有限公司(Sinopec)のどちらかに株式取得優先権を与えることで依然協議中であることを示唆している。
両社は共にロスネフチ株の取得を踏まえた準備を整えているという。しかしながら、最終的にはCNPCが株式の取得を認可される見込みで、既にウドムルトネフチの株式49%を取得しているSinopecとの棲み分けを図るものと見られている。
ロシア最大の携帯電話会社VimpelComの大株主Alfa Groupがもうひとつの大株主であるノルウェーのテレノール(Telenor)に対して周辺の発展途上国におけるVimpelCom資産を全て統合することを提案していることをAlfa Group傘下の通信会社AltimoのAlexei Reznikovich代表が示唆している。
同氏によると、Alfaでは現在、欧州の大手携帯キャリアとの提携を探る準備をしており、同じくCIS諸国やアジアでの事業を拡大するためにも提携先を模索するとしている。
Altimoは、昨年度時点での資本金は80億ドルを上回っており、VimpelComやMegaFonなどの大株主にあり、その他にはロシアのGolden Telecom、ウクライナのKiyvstar、トルコのTurkcellの株主でもある。
テレノールは欧州最大の携帯電話会社の一つで、欧州、アジアで12社の大株主となっている。昨年度の収益は689億ノルウェークローネであった。
Altimo及びAlfa Bankでは既にノルウェー政府との間で、先週公式に協議を持ったことを明らかにしており、議場でテレノールとの提携の可能性も協議されたことを認めている。
市場では、テレノールとVimpelComとの提携は歓迎すべき提携関係だとしながらも、その他にはスウェーデンのテリアソネラやトルコのTurkcellも候補に挙げられるとしている。
しかしながらテリア社とAlfaとの関係がギクシャクしていることで、実際に提携話は進展は難しいと見られている。そのテリア社が37%の株式を保有するTurkcellとの提携もテリア社との関係上、可能性は低いとの意見で大半が一致している。
ただし、今回Alfaが行ったテレノールへの提案もテレノールにとっても大歓迎といったものではないことやウクライナのKiyvstarを巡る両社の関係の縺れもあり、両社が簡単に提携合意することは難しいと見られている。
ロシアの小売大手のひとつKopeikaが正式に株式公開を見送ったことを27日発表した。
計画されたIPOのキャンセルは、証券市場の現状見ると公開時期を見送ることが最善だとの判断から延期を決めたという。
もともとKopeikaでは6月28日から公開を前にロードショウを予定しており、IPOにより企業価値は11億8000万ドルと試算されていた。しかしながら、現状ではもし上場を果たしても企業価値は8億ドルにも満たないとの試算から今回の株式公開を見送ったとしている。
1998年に創業したKopeikaは、国内全土に210店舗を展開し、05年度の収益は04年度の1520万ドルから930万ドルにまで減少していた。収益減の一方で売り上げは04年度の3億6580万ドルから5億7480万ドルにまで拡大している。
ロンドンで株式公開を控えるロシアのロスネフチと親会社であるロスネフチェガスがロンドンではGDRを5.85ドルから7.85ドルの値幅でIPOにかけると同社役員会で23日に決定している。(GDRとは、自国以外の国に株式を上場させる際に、株式自身は自国に預け、株式に代わってそれに見合う証書を上場させて、投資家の便宜をはかるものをDepositary Receiptという。)
今回のIPOではGDR一枚につきロスネフチ株1株と交換でき、株式公開で総額85億ドルの資金調達が期待されている。
また、今回の株式公開にはGDRとして同社では4.4%の株式となる4億株を新規発行し、公募申込者へのオプションか転換社債として取り扱うことが予定されている。この4億株で少なくとも30億ドル強を市場調達すると目標を掲げている。
最終的に何%の株式をIPOにかけるかは公募状態によるところが大きいと市場では見通している。
ロシアの大手石油会社ユコスがイギリスの金融監督局(FSA)に対して、ロスネフチの株式公開を中止するように請求していることが23日明ら
かになった。
ユコスでは、FSAへロスネフチの最大資産となっている旧ユコス資産ユガンスクネフチェガスが不法に取得された経緯があるとして、IPOの許可を取り下げることを求めている。
ユガンスクネフチェガスの石油生産高は、ロスネフチの総生産高の70%を占めている。
ユコスは、FSAがもしロスネフチのIPOを許可する場合、その正当な理由の説明を求めるとしている。
ロスネフチは、この7月中旬にもロンドン、露MICEX、RTSの各証券取引所へ株式を公開する計画で、露金融市場監督局(FFMS)ではこの20日にロスネフチへ株式発行総数の22.54%にあたる21億4000万株を海外で流通させることを許可している。