英BPが保有する露TNK-BPの株式50%が売却されるかもしれない。
TNK-BP持ち株会社が05年度のUS GAAPに基づく決算内容を公表しないことを28日の株主総会を終えて明らかにした。
今回の決算内容の非公開は、将来的な株主の変更もありえると見られ、もしかすると大株主の英BPが全株を売却することも有り得るのではと一部で噂されている。
TNK-BPは03年度に露TNK、SIDANCO、ONAKO及びBPのロシア/ウクライナ事業とが合併して設立された企業で、50%の株式をBPが保有し、残りの半分をAlfa Group、Access Industries、Renovaの3社が共同保有している。
TNK-BPでは、西シベリア、ヴォルガおよびウラル地区、東シベリア、サハリン島などに権益を保有しており、05年度の石油生産は7500万トンを上回っている。
チュメニ地区に登記されたTNK-BP持ち株会社の下にTNK OJSC、ONAKO OJSC、SIDANCO OJSCなどがぶら下がる形となっている。
28日の株主総会では、同社は05年度決算内容を発表し、売り上げ高7030億ルーブル、総収益590億ルーブルであったことが示されている。好決算を背景に高配当を決めており、一株あたり8.06ルーブル、総額約50億ドルを配当する。
米国基準による決算内容を発表しなかったことや高配当を行ったことから、市場関係者の間では、最終的に株主の変更の可能性が高いという意見で盛り上がっている。
ガスプロムバンクが系列であるガスプロムの競争相手であるIteraの主要ガス権益を取得し、欧州との関係回復と事業拡大に道筋をつけようとしている。
独立系天然ガス生産業者であるIteraが保有するシブネフチェガスの51%の権益をガスプロムバンクが買取り、ガスプロムが本拠とする西シベリアでの生産を増強する準備を進めている。
権益取得価格は明らかにされていないが、同区域から年間120億立方メートルの天然ガスの生産が見込まれる。これまで同地域のガス開発はガスプロムが保有するパイプラインをシブネフチェガスへの利用を拒否してきていたことで遅れていた。
今件により欧州各国が懸念していたガスプロムに対するガス供給不足への懸念は大きく後退する見込みで、今後もガスプロムとしても独立系ガスメーカーとの強力を探ることが事業拡大のキーとなる。
ガスプロムバンク(Gazprombank)の06年1-5月期の税引き前収益が200%強の増加となる118億ルーブル(約4億3700万ドル)となったことが29日発表された。
資産残高で国内3位となる同行の銀行資産はこの5ヶ月間で10%増となる4807億ルーブル(約178億ドル)に到達し、顧客への融資残高は8%増の3107億ルーブル(約115億ドル)にまで拡大している。
顧客預かり残高については、50%増となる143億ルーブル(約5億2900万ドル)に急増している。
天然ガス大手のガスプロム傘下のガスプロムバンク(Gazprombank)が約30%の自社株をドイツのドレスナー銀行へ8億ドルで売却する計画を破棄したことが明らかになった。
昨年12月に国内第3位のシェアを誇る同行では株式公開を目指していた。ドレスナーとの関係は、IPO時の幹事を引き受けるものと見られていた。
同社では、ドレスナー銀が示した株式取得価格が極端に低かったことで、株式の売却にメリットはないと判断したとしている。これにより、ガスプロムでは、売却予定株を傘下の年金基金Gazfondへ譲ることを示唆している。
IPOに関しては、引き続き可能性を探ることになっており、市場環境にもよるが早ければ07年度中にも行うことになる。
ガスプロムのガスプロムバンク株の持ち株比率は87.5%となっており、ドレスナーへの売却は株主構成の透明性をあげることが目的であった。
ロシアで電力事業を独占するUnified Energy System(UES)がアメリカの投資銀行メリルリンチと露大手銀行のアルファバンクを傘下の企業分割(スピンオフ)時の幹事とすることを明らかにした。
UESによると、株式公開(IPO)や企業分割、新規株式の発行などの手続きを両行に任せることになる。
この6月23日にUESの役員会では傘下の5社の分離に乗じた新株の発行を決めており、資金調達に成功すれば全て事業への投資に向けるとしている。スピンオフが予定されるのは、OGK-3、OGK-4、OGK-5、モセネルゴ、TGK-9の5社で、07年までに実施することになる。
UESの53%の株式を保有するロシア政府では、2010年度までに電力資産の売却で2080億ルーブル(77億ドル)の調達を目標としている。
UESによると、既存の電力設備網を近代化する為には、少なくとも5億ドル強の投資が必要と試算している。