株式公開が間近に迫ったロスネフチがこれまでの株式取得制限の上限2%を取り下げることを示唆している。
ロスネフチが計画するIPOでは、今週、ロシア政府は放出株を14.3%と認め、法人による株式取得上限を2%までといったこれまでの取得条件に変更のがあったことが明らかになっている。
売出し公募価格は、一株5.83ドルから7.85ドルとされ、100株単位で取引されることになっている。ただし、既に公募に応じている投資家が予測を大きく上回っていることから、公募価格を引き上げる可能性も噂されている。
ロスネフチの確認埋蔵量は189億バーレルとされ、今後28年間の事業を賄う量を誇っている。05年度にはトタル社のロシア石油施設の一部買収もあり、2010年には日量200万バーレル(年間1億トン)の石油生産を目指している。またロスネフチはサハリン3、4、5計画にも大きく関与しており、2015年度には日量280万バーレル(年間1億4000万トン)が見込まれる。
3日にロスネフチとロシア政府との間でIPO時の放出株総数が最終決定され、ロスネフチの親会社であるロスネフチェガスは総数13億5649万8963株、14.3%の株式をIPO時に放出すると発表した。
連邦金融市場サービスではこれまでに、ロスネフチへGDRを株式の22.5%分の発行を認めていた。今回放出株式数に若干の変更があったが、石油収入が拡大するロシア企業にとって放出株式数を落としても十分な資金を調達できるとの自信が今回の決定に影響したものと見られている。
これまで設定していた株式取得上限2%という枠もロスネフチでは取得先によるという対応に変化してきており、中国企業による大量株式取得の許可といった政治的な判断から取得制限は最終的には取り下げると見られている。
一部では、中国企業がロスネフチが保有するロシア国内の未開発油田の権益の41%の取得も囁かれている。
中国石油天然气集団公司(China National Petroleum Corp:CNPC)がロスネフチ株取得に30億ドルを支払い、ロシア石油資産に可能な限りの接近を目指している。
CNPCでは、30億ドルを投じて可能な限りのロスネフチ株を取得したい意向で、IPOによって自社総額が800億ドルとも言われる同社との繋がりを強めたいとしている。
CNPCとしては、あくまでもロシア側として中国企業との関係を強化したいか否かによって、実際に株式取得を決める意向。
実際にCNPCにとって30億ドルのロスネフチへの投資は、大した意味はないと見られ、本当の目的はあくまでもロシアにおける石油権益を中国として可能な限り獲得することが最終目標と見られている。
ロスネフチでは110億ドルに上る債務を支払うためにIPOでは少なくともそれにあった資金の調達を目指すとみられ、IPOが成功すれば同社は少なくとも600億ドルから800億ドルの時価総額が認められることになる。
中国企業のほかには、マレーシアのぺトロナス(Petronas)が株式の取得を目指す見られ、英BPやブラジルのペトロブラス(Petrobras)などは株式の取得は見送ると見られている。
フランス大手自動車メーカールノーがロシアでラダ(Lada)を生産するAvtoVAZの株式25%の取得を模索しているという。
ルノーによると株式取得に4億ドルの提案をしているといい、もし今回の提案を受け入れた場合、AvtoVAZはルノーおよび日産自動車との間で事業提携することになる。
ルノーでは、AvtoVAZへ事業提携案としてジョイントベンチャーを提案しており、年間50万台の生産を目指すとしている。
鉄鋼王の大富豪Oleg Deripaska氏が3日に保有する投資会社Basic Element(BasEl)を売りに出し、売値を140億ドルとしたことが明らかになった。
同氏は、今回の資産売却を欧州復興開発銀行および国際通貨基金との間の合意に基づくと表明し、同時に、BasElの透明性を高める為として傘下のエネルギー会社En+の一部株式の売却も有り得ることを示唆している。
Deripaska氏はBasElの100%株主で、同氏最大の資産はロシア最大且つ世界第3位のアルミメーカーRusAl。BasElではRusAlの企業価値は720億ドルと試算しており、その他の資産には国内第2位の自動車メーカーGAZの340億ドル、保険大手のIngosstrakhの170億ドルなどがある。
セベスタルが世界市場を目指して今後も市場拡大を模索する動きを継続することを示唆している。
セベスタルとアルセロールとの合併が白紙に戻され、アルセロールがミッタルスティールとの2強合併を明らかにしたことで、世界の鉄鋼業の勢力図に多きな変化が生まれると見られることから、セベスタルでは生き残りをかけてシェアを引き上げる為にも合併先もしくは買収先の模索を急ぐと見られている。
既にセベスタルの大株主Alexey Mordashov氏が英蘭Corus Groupの買収を決めており、最終的には中堅規模の鉄鋼メーカーの買収を続けることで事業規模を拡大させ生き残りをかけることになる。