アルコール取り扱いで新たに導入された規制によりレストランや酒店からお酒が消え、唯一販売されているウイスキーブランドが一つとなり、ワイン類はほぼ街から全てが回収されてしまった。
モスクワ市内にある有名レストランのアルコール消費量はこの7月に7割から8割まで減少してしまった。今回の新規制では、酒類の輸入時に必要とされるラベルをコンピューター化することが義務付けされたがその殆どでシステム導入が間に合わず商品不足が全国に広がり旧ソ連時代のように店頭から商品が消えてしまった。
多くのレストランがその売上げの半分を酒類から計上しており、今回の措置により大きな損害を抱えている。ワインカフェではその売上げが40%近くも減少し、存続自体が危ぶまれている。
レストランの多くがワイン不足を補うためにビールやウォッカに切り替えており、ワインカフェでも品数をこれまでの半数以下に留めたり、ビールだけを取り扱う店に変更したりなどして何とか営業を続けている。
当分は現状の問題が解決する見込みはなく卸業者でも扱えられるものはウィスキーではジョニーウォーカーの赤及び黒、そしてアルコール度数が低く今回の規制から外れているワイン10種類程度に限られているという。
問題解決には少なくとも10月までは待たなくてはならずロシア国内の小売売り上げ高は少なくとも2%近い減少を伴う事になりそうだ。
ユコス株が20日会社解散の危機が強まったといったニュースが流れたことで大きく値を崩した。
MICEX市場では、ユコス株は4.2%下落し1株27.679で取引され、RTS市場でも1ドル目前の1株1.07ドルを辛うじて維持している。
会社解散の危機は、同社のSteven Theede代表の8月1日をもって職を辞するといったニュースと会社再建は不可能だと見方から、ユコスは解散の道しか残されていないとされる。
ユコスのEduard Rebgun部長は会社資産は150億ドルあるが、債務も170億ドルに達していると債務超過であることを認めている。
ガスプロムがユコスに対し同社が保有するガスプロムネフチの株式20%の売却を求める請願書を提出していたことをユコスが20日示唆した。
ガスプロムではユコスの財政難からガスプロムネフチの株式売却も有り得るのではと推測していることから売却依頼を打診したとされる。
ガスプロムネフチでは、ガスプロムがもし株式取得に動くのであれば、昨年ガスプロムが72%の株式をミルハウスキャピタルから130億ドルで取得していることからそれに近い価格で取引されるのでと示唆している。
インターネット検索の世界でグーグルはなくしてはならない存在に上り詰めた感があるがロシアではなかなかシェアが取れなくて苦しんでいる。
ロシアにはライバル企業としてYandexやRamblerといった企業がありグーグルの高い壁となっている。
グーグルのロシアでのシェアは7.6%に過ぎずシェア第1位であるYandexの60.3%やRamblerの21%には程遠いシェアに留まっている。
ロシアのグーグルにはオンライン販売で大成功したOzon.ruのVladimir Dolgov氏が代表を勤めており、同氏は数年以内にYandexに追いつくように投資を拡大すると示唆している。Yandexの05年度の売上げ高は3560万ドルであった。
グーグルは急ぎロシア語版の検索エンジンの改良を重ね、ライバルが投資を控えている今シェアの拡大にチャレンジする姿勢を表明している。
武器商社Rosoboronexportが世界最大のチタンメーカーであるVSMPO-Avismaを数週間の内にも買収する意向であることが明らかになっている。M&Aでは現在の大株主2名が全株を手放すことになると見られている。
今回のM&Aが実現した場合、買収金額は150億ドルに上ると見られ、中央政府が国策企業を使って鉄鋼産業をも管理下におくことになる。
VSMPOは世界のチタン市場の30%のシェアを持っている。
VSMPOのVyacheslav Bresht会長は2週間前に保有株30%をルネッサンスキャピタルへ売却しており、ルネッサンスキャピタルでは他に10%近くを取得した後合わせてRosoboronexportへ売却する意向であるという。
その他の株主であるVladislav Tetyukhin氏は保有株27%をRosoboronexportへ売却する意向を示唆しており、2〜3%を保有し続けることも示唆している。