ラトビアの大手銀行の1つであるハンサバンク(Hansabanka)では、6月1日から貯蓄商品の1つとして生命保険の販売を開始した。保険販売を開始したことからハンサバンクは、ラトビアで初めてのバンクアシュアランスとなった。
同行では、4種類の保険商品を扱い、その中には年金保険、貯蓄保険、教育保険、ローン保険などが含まれる。販売当初は、個人顧客向けのみに保険の販売を行い、時間をおいてから法人にも取扱いを始めるとしている。
ハンサバンクグループでは、既に数年前からエストニア及びリトアニアで生命保険の販売を始めている。昨年、エストニアでの保険料収入は3700万ユーロに達しており、リトアニアでは5900万ユーロの規模にまで拡大している。
エストニアでの生命保険の市場シェアは46%を占めており、リトアニアでのそれは36%となっている。同行では、ラトビアでのシェアを今後3年間で30%の獲得を目標としている。
スウェーデン及びフィンランドの銀行群が今、エストニアの銀行業をほぼ独占している。エストニアの経済発展を牽引してきたエストニア最大の金融機関ハンサパンク(Hansapank)もこの春にはスウェーデンのスウェドバンク(Swedbank)が完全子会社化に成功し、実質エストニア資本による最後の大手銀行が外国資本の手に移った。これまでもハンサパンクはエストニアの市場シェア50%を獲得していた。
スウェーデンの銀行グループ傘下でエストニア第2位のエスティ・ウヒスパンク(Eesti Ühispank)では、市場シェア30%を占めており、次いで北欧大手のノルディア(Nordea)のエストニア法人が10%のシェアを既に獲得している。
シェア第4位ではあるが、フィンランドのサンポグループ傘下のサンポバンク(Sampo Pank)ではシェア8%を獲得しており、上位4行は全て北欧系の銀行となった。
北欧4行による市場シェアは98%に達していることから、ほぼエストニアの銀行業は北欧資本が支配する構図となっている。
3月末の段階で、不動産売買増に伴いローン残高が過去最高水準となっている。金融資本市場委員会(FKTK)は24日、住宅ブームを背景に、借入残高が昨年以上のスピードで伸びていることを明らかにした。
年初からの3ヶ月間に、住宅産業向けに貸出された融資残高は昨年末より16.8%の拡大となる5億1679万3000LVLに達している。
首都タリンの公証人が不動産市場のブームに乗じて収益を急増させている。公証人役場では、現在の所、収益の公表を義務付けされてはいないが、単純に第1四半期の不動産売買を元に試算した公証費用が800万EEKに達しており、どの公証人も最低でも10万EEKの収益を挙げていることになる。
同時にタリンなどでは公証人不足が深刻で、公証作業を必要とする市民は、不動産の名義変更などの売買手続に数週間から数ヶ月もまたされるという実情がある。
現在、エストニアには79箇所の公証人役場があり、うち35箇所がタリンに集中している。司法省では、全国に最低でも105箇所の公証人役場が必要と見ている。
アナリストの間で、リトアニアの闇経済が不動産投資でマネロン(資金洗浄)を繰り返しているという懸念が話題に上っている。リトアニアの不動産市場は、このところ右肩上がりで上昇を続けており、そこにつけ込んだ犯罪が多発しているという。
闇経済からの大量な資金が不動産取引の25%近くを占めていると見られている。市場関係者の間では、既に闇資金が不動産市場で重要なポジションを得ており、商業ビルや土地の売買に幅を利かしていると分析している。
不動産開発組合のJonas Ragauskas代表は、「もし不動産市場がとても限られた小さな市場規模であったなら、容易にマネロンを取り締ることは可能だが、今のように市場が拡大した情況では、とても難しいというのが現状である」と述べている。
特に出所が明らかでない資金は、高級マンションや高額な不動産取引を中心に流れていると見られている。