ユコスの役員会では8月1日に予定している仲裁裁判所による破綻公聴会の前までに、一切の資産売却は念頭にないと26日示唆している。
多くの市場関係者や同社資産に興味をもつ投資家が最も注目しているユコス最大の資産ガスプロムネフチ株20%もこれにより売却は当分期待できなくなる。
既にガスプロムではユコスに対しガスプロムネフチ株20%の買取を提案しており、債権者会議で賛成多数となった破綻に伴う資産売却は裁判所の決定次第で売却時期も大きく変わってくることになる。
ユコス債権者会議で同社が破綻状態にあり、解体のプロセスを始める事が25日賛成多数で議決した。
債権者に名を連ねる24社の内23社が同会議に参加し、賛成93.87%、反対5.6%で解体が賛成多数で議決している。解体作業は今後何年もかけて進められることになり、数十億ドルの追徴課税や債権回収をどう進めるかなどについて仲裁裁判所から意見を求めることになる。
8月1日にモスクワ仲裁裁判所でユコスの破綻判断が出されることになっている。
ロマン・アブラモビッチ(Roman Abramovich,)、ウラジーミル・セルゲーエヴィッチ・リシン(Vladimir Lisin)、オレグ・ウラージミロヴィッチ・デリパスカ(Oleg Deripaska)の大富豪3人がロスネフチの株式公開で12億ドル相当分の株式を取得したことが明らかになった。
同じく政府系とされるスルグトネフチェガスでも10億ドル強分の株式を取得したと見られている。最終的な全ての情報開示はもう少し先になる予定で、今回の株式公開でロスネフチは104億ドルは少なくとも調達したと見られている。
ロスネフチでは既に英BP、マレーシアのペトロナス(Petronas)、中国CNPC、未発表企業の4社が公開株の49%を購入したことを認めている。
一部では未発表企業はガスプロムネフチではとの声があり、そうであればロシアの大富豪各者が同行を通して株式の取得を図ったのではないかとの憶測が上がっている。
べドモスティ紙によると、ロマン・アブラモビッチ氏は3億ドル相当の株式を取得し、米フォーブス誌で露第6位の大金持ちと評されたオレグ・デリパスカ氏が7億ドル相当分を取得したものと報じている。
鉄鋼王のウラジーミル・リシン氏に関しては、2億ドル相当分の取得に留まったと見られている。
国内大手行の一角アルファバンクが06年上半期の総収益が昨年同期比で2.1倍増となる13億8900万ルーブル(約5150万ドル)に達し、同じくガスプロムバンクでも同期間中に1.37倍となる105億5800万ルーブル(約3億9200万ドル)の収益を計上したことをそれぞれ25日発表した。
ロシアスタンダード銀行(Russian Standard Bank)は24日、06年上半期の総収益が180%増の48億ルーブル(約1億7800万ドル)を記録したことを発表した。
同行は、資産総額で国内トップ30に入る大手行の一つで年初からの半年間に資産残高は30%増加した1555億ルーブル(約58億ドル)に達した。
貸出残高も150%増の1416億ルーブル(約52億ドル)にまで拡大し、この半年間で21億2000万ドルの増加となった。