アメリカが明らかにした露武器商社Rosoboronexportへの制裁で同社とアメリカ政府が進めていた10億ドル相当の商談が暗礁に乗り上げている。
アメリカの制裁は、同社がアフガニスタンやイラクへ中間業者を通じ、武器販売を行っていたことを理由に挙げている。
今回の制裁でロシアの武器販売が多くの国で難しくなるとの意見もあるが、Rosoboronexportでは懐柔策としてアメリカ企業に中間役を委託することでアメリカ政府の動きを牽制したいとしている。
あまりにアメリカの態度が硬化する場合には、ボーイング社がアエロフロートと契約する30億ドル相当の取引や他の全ての取引に支障が出ることも有り得ると見られている。
ロシア最大の電力会社RAO UESの06年上半期の売上げ高が昨年同期の145億7000万ルーブルから31.5%増加した191億6000万ルーブルを記録したと7日同社が明らかにした。
同社の総収益は79億9400万ルーブルから54%増加した123億1100万ルーブルとなり、第2四半期は第1四半期の52億6000万ルーブルから70億5100万ルーブルに拡大した。
収益増の背景には事業経費が減少したことがあり、経費は11億ルーブルから350%減の3億2000万ルーブルにまで減少した。経費削減に成功した背景は、大型の買収案件を昨年後半以降行わなかったことなどが挙げられている。
電力販売からの収益は112億1000万ルーブルから163億3000万ルーブルまで拡大し、税引き前収益は同じく113億8000万ルーブルから158億3000万ルーブルにまで増加した。
独立系の石油ガス会社Iteraの06年上半期の収益が前年同期比で2.9倍増となる9億6040万ルーブル(約3588万ドル)となったことを7日同社が発表した。
Iteraの売上げ高は19.4%減少した122億5600万ルーブル(4億5780万ドル)となったが、経費削減などの努力で支出は66億1000万ルーブル(2億4691万ドル)に収めることに成功した。
総収益は昨年同期比で3.2倍となる61億9500万ルーブル(約2億3140万ドル)を記録し、営業収益は33.6%増の15億5200万ルーブル(5798万ドル)であった。
ガスプロムフチの収益がこの上半期に昨年同期の212億6500万ルーブル(約7億9340万ドル)から41%増となる299億9700万ルーブルへと拡大したことを同社が4日明らかにした。
第2四半期の連結収益は第1四半期の115億7000万ルーブル(約4億3100万ドル)からは1.6倍となる184億2700万ルーブル(約6億8750万ドル)へと拡がり、同社資産も10.3%増の2212億3000万ルーブル(約82億5000万ドル)にまで拡大している。
ロシアがベラルーシ向けの原油を十分供給しているにもかかわらず、同じパイプラインを使うリトアニア向けでは原油供給が不足気味にある。
ベラルーシでは今回のロシアの動きをリトアニアが製油会社マゼイキウをロシア企業ではなくポーランド企業へ売却を決めたことへの腹いせとしての制裁の可能性もあると示唆している。この5月にポーランドのPKN Orlenがマゼイキウ・ナフタを買収している。
ベラルーシのNaftan製油所ではDruzhbaパイプラインが原油漏れを起こした後も十分な原油供給があったことを認めており、原油が不足するリトアニアとの差が顕著となっている。これにより、バルト3国各国の業者はリスク分散を求め、原油の入手先を模索する動きを見せている。