大手銀行一角Nordeaがエストニア経済の見通しを経済減速に向かっているとBaltic Rimにレポートを寄せている。同行によると、エストニアの融資増加率は据えにピークを迎え、不動産市場は徐々に冷却化し、ハードランディング懸念は減少し始めているという。
06年度のエストニアのGDPは11.4%成長となり、97年以降の最高記録を達成した。しかしながら、07年度のGDP成長率は減速の方向に向いており、06年下半期からの流れを引き継ぎ、輸出は減少が顕著となっている。
それでも経済成長のトレンドは、二桁近い成長が期待できる水準を維持しながらも経済危機は上手く回避することになると見られている。
ただし、輸出減に伴い、エストニアの輸出産業は大きくダメージを負う事が懸念され、競争力の再強化が急がれる。今の所、エストニア・クローンも冷静を装っていることもあり、健全な経済環境の中にあると判断できる。
エストニア最大の衣料品メーカー バルティカ(Baltika)が07年第1四半期の売上高が44%増の2億2600万クローンとなったことを発表した。
同社の第1四半期の収益は昨年同期比で70%増加した2400万クローン(150万ユーロ)に達した。
大幅収益増の背景は、物流センターを含む所有不動産の売却益1620万クローンが大きく貢献した。
大手金融機関のNordeaがバルト3国経済見通しを示し、ラトビア経済に警鐘を鳴らしている。
同行のRoger Wessmanアナリストは、ラトビアを取り巻く経済環境を危惧し、直ぐにでも行動を起さない限り問題が危機的状態に陥ると懸念を表明している。
同氏はラトビア政府が実行した経済冷却政策が上手く稼動していないと判断を下しているという。
同氏の分析では、バルト3国各国は、現在も短期借入れを増やしており、そのリスクはラトビアが最も高いとラトビアの経済環境が危険域に突入していることを示唆している。
今後の見通しについては、今年、来年にかけてラトビア経済は徐々に減速し、安定化し始めるだろうと分析するが、その場合もバルト3国全域で借り入れブームが落ち着くことが条件になると指摘している。
モスクワの所得平均が06年度に22%増加した3万400ルーブル(1180ドル)となった一方で、首都の中でも高額所得者と低所得者との間で所得格差が過去にない規模にまで拡大していることをモスクワ市統計局が明らかにした。
6月~9月にかけて、モスクワ市人口の上位10%の平均給与は下位10%の市民等の平均所得よりも49倍も多い所得を得ていたという。
上位10%の高額所得市民等は、毎月、平均12万9700ルーブル(5000ドル)の所得を得ており、一方でモスクワ市民人口の17%が最低貧困水準とされる月5120ルーブルを下回る所得しか得ていなかった。
所得中間層となる市民等は、人口の30%にあたる総数約300万人で、月1000ドル強の所得を得ているという。
高額所得を得ていた市民等は金融業がトップで月平均4万5000ルーブルの所得を得た一方で、最低所得は、公務員となる教員職が月1万3700ルーブルを得ていた。
ハンサバンクのMaris Lauriチーフアナリストが廉価な労働コストを謳ったビジネスモデルを営んでいる企業は直に淘汰されるだろうとエストニアの事業環境を分析している。
同アナリストは、Profit Magazine主催の投資セミナーで、エストニアの経済発展は55%のチャンスでまだまだ存在すると示唆しながら、08年下半期にも経済減速が始まり、近年の経済成長水準を下回ること意なると今後の見通しにも言及した。
また、同アナリストは、エストニア経済の将来は、事業内容と賃金昇給の諸条件を如何に再構築するかで大きく掛かっており、海外との競争力を維持するには、今のような低賃金を謳い文句にしていくことは不可能だと現状を指摘している。