エストニアに本社を置く衣料品大手バルティカ(Baltika Group)が今年1-8月の販売高が36%増の1億6043万リタスを記録している。8月だけを見ると52%増の2290万リタスと過去最高となっている。
リトアニア子会社Baltika Lietuvaの8月の売り上げ高は50%増加した540万リタスであった。子会社間ではロシアでの事業が最大の伸びを記録し143%増となっている。
また、競業他社としては大手のアプランガ(Apranga Group)が年初からの8ヶ月間に1億7320万リタスを売上、53.9%増を記録している。
8月の同社の売上高も過去最高を記録しており、39.5%増の4120万リタスを売り上げていた。
07年8月のリトアニアのインフレ率が年率で5.5%となったことを統計局が明らかにした。
この8月以上の高インフレを記録したのは1998年6月まで遡ることになる。この98年8月のインフレ率は4.4%で通年では4.5%のインフレ率が記録されている。
今年のインフレ率は主に食料品、ノンアルコール飲料、水道、電気、ガスなどの燃料費の価格が11%も上昇していることやホテル、レストランなどのサービス価格が10%も値上がりし、アルコール、タバコ代が7%も上昇していることなどが影響を与えている。
一方で衣服や靴などの価格は5%値下がりし、通信などでも7%ほどの値下がりが記録されている。
将来的にどれほど住宅金利が上昇し、住宅ローンを得て住宅を購入する市民が今後どれほどいるのか全く分からないという漠然とした不安が金融界に漂っている。
エストニア最大の金融グループ ハンサバンクグループ(Hansabank Group)のErkki Raasuke代表が、『個人的には誰も恐がらせたくはないが、当行としてはナイフの刃を向けられ、現状はより悪化している』という見解を示唆している。
ハンサバンクでは、過去2年間に60%の融資残増を記録してきたが、今年に入って融資残高は20%ほど減少している。
07年7月に国内の銀行が発行した融資額は1年前より4億クローンほど減少している。06年7月のエストニア市民等に対する融資総額は20億クローンを超えていたが、07年7月では16億クローンにまで融資額は減少してきている。
同氏は、融資の減少には驚かないが、現状はただの始まりに過ぎないと今後を大きく懸念しているという。
金融業界では、融資が伸び悩んでいる原因を高止まりする不動産市場を踏まえ、投資家等は住宅購入を先延ばしにしていることなどを挙げている。
北欧の大手銀行Handelsbankenがタリン、タルテュ、パルヌ、ナルバでリテールを始める準備を進めている。
現在、同行ではエストニア内に100名程度の個人客と800社の法人客がある。同行のエストニアで代表を務めるHarri Tuohimaa氏によると、エストニア国内で最終的に何支店を展開するかなどは分からないという。
Handelsbankenは北欧の他に欧州で9カ国、そして中国、香港、インド、シンガポール、ロシア、アメリカなどで事業を展開している。
07年第2四半期のGDP成長率が昨年同期比で7.6%の成長に留まった。エストニア統計局によると、GDPは609億クローン(6100億円強)となり、2000年当時の432億クローン(4320億円強)から大きく拡大している。
経済成長率は消費欲の減退から輸出入の低下を引き起こし成長率自身の減速が明らかになってきている。
しかしながら、それでも国内需要はまだまだ安定成長しており、需要の低下もあくまでも昨年同期比で減少しているに過ぎない。