エストニアの企業による07年第2四半期の売上総額が昨年同期比で23%の増加となっている。この第2四半期に、エストニアでは4万5000社が活動しており、46万2000人が就労していた。
企業総売上高は1670億クローン(約1兆7000億円)に上り、06年第2四半期からは312億クローン(約3180億円)増加している。
ラトビア中央銀行(Bank of Latvia)のIlmars Rimsevics 総裁によると、漸くここに来て反インフレ政策に効果が出始めていると示唆している。
実際の所、好調な経済ではあるが、今、多くで加熱経済との危惧が囁かれている。
同総裁は、今後も継続的に現在の政策を続けていくことで経済の過剰な消費傾向などを押さえ込むことが出来れば、経済が適度に減速し、上手くソフトランディングすることが可能になるだろうと、今後の見通しについても言及している。
国内の人材不足と外国人就労規制が邪魔して優秀な人材の確保が出来ずスカイプ(Skype)も苦しんでいるようだ。
e-Bay傘下となったスカイプだが、その主要部門はタリンを本拠としており、社員500人中の300人がタリンで仕事をこなしている。しかしながら、もともと人口が小さなエストニアからは優秀な人材を確保できず、一方でEU規制がネックとなり外国人を上手く就労できないでいる。
同社の広報によると、『何とかこれまでやってきたが、今後将来的にどうなっていくかは分からない』と同社の人材不足が危機的な状態にあることを示唆している。エストニアの外国人就労規制に従うとEU圏外から人材を確保することが極めて難しい状況にある。
これまでにスカイプではエストニア政府へ就労規制の緩和の為のロビー活動を続けてきた。特にインドなどから優秀な人材を確保したいとの思惑で活動してきたが、漸く政府もスカイプの言い分に耳を貸す雰囲気が出始めているという。
現在、人材不足は危機的な状態にあり、給与も年間平均15〜20%近く上昇し続けている。
英日刊紙FTが世界の信用市場の収縮で財政支出が歳入を大きく上回るラトビアとエストニアの両国が与信格付け会社から警鐘が鳴らされているとレポートしている。
13日発行のFT紙面上にエストニアとラトビアが世界の与信収縮により大きく被害を受ける可能性があると紹介されている。
格付け会社ムーディーズ(Moody's Investors' Service)がエストニアとラトビアの長期外国通貨建て債権の見通しをPositiveからStableに引き下げた。
同社は、これまでにもバルト3国の経済を加熱経済だと指摘してきており、各国の投資格付けを引き下げる動きを続けていた。
ムーディーズでは、ラトビアとエストニアでは個人セクターが不動産購入や世帯支出の増加の為、外国からの巨額の借入れが積み上げられてきたと指摘している。
しかしながら、既に不動産市場は冷却化し始めており、これ以上の過剰な経済成長は起こり得ないと見られることから、経常赤字をどれ程耐え切れるかが焦点となるという。
Eurostatによると、07年第2四半期の労働コストの上昇率がラトビアは31.7%の上昇となり、EU内で最高を記録した。
隣国のリトアニアは域内第3位となる23.4%の上昇で、エストニアも第4位となる18.7%の上昇をそれぞれ記録している。これまで労働コストの上昇率が顕著だったのはスロベニアやスロバキアであった。
一方で域内で最も労働コストの上昇が低く抑えられたのはドイツの1.2%、スウェーデンの2.3%、そしてフィンランドの2.6%などとなっている。