アメリカの大手石油会社コノコフィリップス(ConocoPhillips)が今年度末までにロシアで投じた投資総額が90億ドルに到達する見通しだと同社のJames Malva会長が17日示唆した。
同氏によると、同社はロシア最大の石油会社ルクオイルの株式19%を保有しており、ロシアでの投資戦略の一環としてルクオイルに留まらず、他社にも投資していくことを模索している。
同氏は、コノコフィリップスがロシアに投資する理由として、ロシアは世界のエベルギー市場の中で天然資源開発と生産で知名度を上げることを目指していることを挙げている。
コノコフィリップスはアメリカで第3位のシェアを誇り、世界でも第5位の巨大企業である。
内務省は16日、ロシア国内で知的財産を侵害したコピー商品による損害総額が2006年1−10月期の間に24億8000万ルーブル(9億3100万ドル)を上回ったことを発表した。
内務省によると、10ヶ月間に摘発された版権違反件数は6432件に上り、05年度の2924件を大きく上回った。
また、警察当局では、今年中央、北西、南ロシア連邦各区で計4社の大手偽物オーディオ及びビデオ卸業者による不法活動を取り締まっている。
警察によると、偽物オーディオなどは特にカザン(Kazan)、トベリ(Tver)、ペンザ(Penza)、モスクワ区、モスクワ市などで無許可生産されているという。
ロシアは、丁度アメリカとの間でWTO加盟協議を済ませたばかりで、早急に知的財産権の保護強化を実施しなくてはならず、WTO加盟を前に実績を残す必要が問われている。
これまでにロシアでの版権侵害は05年度だけでも17億ドルに上ると試算されており、過去5年間では65億ドルを上回っていると見られている。
ロシアの大手携帯電話会社メガフォン(MegaFon)が06年1−9月期の中間収益を発表し、66.8%増の54億ルーブル(2億150万ドル)を記録した。
ロシア第3位のシェアを誇る同社は、1−9月期の売上高は249億ルーブル(9億3400万ドル)を計上し、05年同期比で30.7%の増加となった。
メガフォンは、2002年創業で、資本金は現在220万ドルとなっている。最大の大株主には北欧の大手通信会社テリアソネラが35.6%を保有し、そのほかの大株主にはTelecominvest(31.3%)、CT-Mobile(25.1%)、IPOC International Growth Fund Ltd(8%)がそれぞれ株式を保有している。
鉄鋼大手のMMK(Magnitogorsk Iron and Steel Works)が来春にも株式公開を計画しており、市場から10億ドルを調達することが確実視されている。
MMKは07年4月にIPOを行う意向で公開場所はロンドンを予定している。現在は、IPOを目指して準備を進める最中だが、社としての最終的な決定を経たものではなく、IPO時の放出株式数や正確な時期、公募価格などは全く決まっていない。
これまでに同社ではロシアのMICE(Moscow Interbank Currency Exchange)で2%の株式の放出を計画していたが、この7月にその計画も延期させていた。
株式公開時期の延期は、証券市場の環境整備具合やそれほど急いでIPOを行う必要性が無いとの判断からIPOは見送られている。
MMKとしては、これまでに競合の鉄鋼メーカー各社が海外でIPOを実施したことを受けて、証券市場が安定した後、最高の環境の中でIPOを実施することが社として最大のメリットを享受できるとの判断が働いた。
ロシアでは、これまでPipe Metallurgical Company(TMK)、Severstal、Chelyabinsk Zinc Plantなどが今年IPOを果たしている。
ロシアのプーチン大統領は、ロシアのWTO(世界貿易機関)加盟を踏まえ、ロシアの銀行各行による買収合併によりロシア版巨大金融機関の誕生が必要不可欠だとしてM&Aを助長する発言を発している。
同大統領は、金融機関各行は、WTO加盟を前に余裕な時間は殆ど残されていないとし、加盟後の競争の激化に耐え得る為にも巨大銀行の誕生が不可欠だと言及している。
現在ロシアでは、6000万人が銀行を依然利用していないと見られ、ロシア人人口の3分の1しか実際に銀行口座を開設しておらず、キャッシュカードを保有するロシア人も全体の10%未満に留まっている。
WTO加盟後には、より多くの西側銀行筋がロシアに進出してくると見られることから、競争の激化に絶えうる財務内容の構築と新規顧客の抱え込みを加盟前までに済ませておくことが必要となる。