ラトビアの大手銀行の一角パレックスバンク(Parex Bank)の株主であるValery Kargin氏とViktor Krasovickis氏の両氏は、銀行の売却の噂を一蹴する株式売却の意思はないことを示唆している。
売却の噂は、ロシアのアルファバンク(Alfa-Bank)総裁Pyotr Aven氏が訪問していることから拡がりを見せている。
Kargins氏は、当行の資本金の引上げが必要だと考え、自身等の財布から2200万ユーロを投じることを決めたことを明らかにしている。
また、 Parekss Apdrosinasanas Kompanijaをノルウェーの保険会社Gjensidige Forsikringに売却し得た資金も全て銀行に投入することにも言及している。
ハンサバンクのPriit Poldoja代表がエストニア人は世界的な視野をもつことが欠けており、より高い大志を抱くことが不可欠だと叱咤するコメントを地元紙アリパエブに寄稿した。
同代表は、エストニアは急速な経済成長を終えた今、新たな時代に突入しようとしていると語っている。もしバルト3国の市民等が新たな時代にも生き残りを望むのであれば、欧州でもやっていける競争力を見につける必要があるという。
10%を超える経済成長は今後は継続することはなく、徐々に落ち着いた経済成長に落ち着くことになる。ローン市場も劇的な変化に直面しており、消費動向も下火になりつつある。
同代表は、1998年の経済危機は、廉価な労働力と海外からの投資が流入したことで乗り切ることが出来た。企業はより収益性を帯び、北欧の金融機関らが提供した低金利なローンにより、有意義な経済成長を楽しむことが出来たのが実態であるとこの10年間を振り返っている。
エストニアが今後も世界で生き残っていくには、造船グループBLRT Groupがリトアニア、フィンランド、ノルウェーなどで競合の買収合併を成功させ、生地メーカーWendreがポーランドで工場買収をしたり、オリンピック・エンターテイメント社が東欧で最大のカジノグループになることを目指すことなどの世界市場を目指す大きな志がエストニアが将来発展していくことに不可欠な重要な要素であると同代表は言及する。
政治家の何人かが食料品価格の高騰は、バイオ燃料プラントが原料を買い占めようとしていることが原因だと指摘している。
この問題の背景は、エストニアに今2箇所のバイオプラントが稼動していることに発している。バイオプラントでは大量の穀物を購入する計画を立てており、食品メーカーが必要とする原材料が不足することで、食料品価格がより値上がりするとの根拠から問題提起されている。
2箇所のプラントの一つは、パルディスキ(Paldiski)に建設され、来年から10万トンを処理する能力を有している。また、09年にはもう一つのプラントがクンダ(Kunda)に完成し、ほぼ同様の処理能力を有するものと見られている。
2つのバイオプラントが近い将来稼動することになるが、それ以外にもプラントの建設計画があり、石油製品とバイオ燃料の価格差が拡がれば実際に工場建設に入る計画となっている。
EU規制では、加盟国は2010年までに消費燃料の最低5.7%をバイオ燃料に転換することが義務付けされている。
大手銀行のハンサバンクによると、次の半年間が最も懸念され、状況はより悪化しかねないとラトビア経済の雲行きの悪さを示唆している。
同行のIvonna Slapina女史は、今後暖房が必要となるシーズンに入り、より光熱費は高騰しかねないと物価上昇の懸念材料は広がっているとラトビアの直面する物価高を懸念する。
同女史は、最低でも10%の物価上昇は避けられないと見ているという。そして数ヶ月以内に過去10年で最高記録となるインフレ率が記録される可能性にも言及している。
ハンサバンクでは、07年度のラトビアのインフレ率を当初の7.5〜8.5%から10%にまで引き上げる予測を立てている。
実際に、9月期の消費者物価は昨年同月比で11.4%の上昇を記録しており、物価上昇の流れは当分収まる方向にはない。過去10年間で最高のインフレ率は、つい先々月となる07年8月期の10.1%であった。
9月の家賃相場が今年の平均上昇率の4倍値で推移している。リトアニアの中央銀行では、リトアニアの不動産ブームは、直に終焉すると示唆している。
リトアニア統計局によると、9月期の家賃相場の値上がりは、8月期比で13.2%の上昇となっており、8月の対7月期の上昇率が0.9%に過ぎなかったことからも大幅に家賃相場が上昇していることが分かる。
同様の家賃の高騰は、1992年以降、調査が行われるようになってからは、1998年に66%の上昇が記録されており、1992年から94年の間にも家賃は15.1%から47.5%の値上げが行われている。
リトアニア銀行の経済局長Raimondas Kuodis氏は、家賃の値上がりが示すところは、不動産ブームが終焉に近いことを示しているに違いないと分析する。