ガスプロムのミレル社長とロスネフチのボグダンチコフ社長が2015年までの戦略的協力提携を結んだことを発表した。
両社は炭化水素開発、石油ガス生産、輸送、加工、買収、天然資源の販売、機材使用、インフラ、情報共有など多方面での協力を行うことに合意した。
今回の協力合意で最も重要な要素は、両社は協力して石油ガス田の開発免許の取得を行うことに合意した点で、世界で張り合う規模の巨大エネルギー会社の創設に弾みがつく可能性を秘めていることにある。
ガスプロムは、ロシア政府が過半数の株式を保有する世界最大の天然ガス会社で保有ガス埋蔵量は29兆1000億立方メートルあり、資産規模は1386億ドルに上っている。一方のロスネフチはロシア最大規模石油会社の1社でロシア全土に拠点を構え、ロシア政府が管理下に置いている。
ロシア国内のガソリン価格が06年10月期に0.4%の値下がりが報告されている。
ロシア統計局は28日、10月期の国内のガソリン価格がA-76及びAi-80でそれぞれ0.4%値下がりし、Ai-92及びAi-93のレギュラーで0.5%、Ai-95ハイオクで0.3%の値下がったことを発表した。
ガソリン価格は年初からこれまでに11.8%上昇している。
ロシアルーブルが過去7年間で対ドルで最も上昇し、ルーブル高ドル安の傾向が日増しに強くなっている。ルーブルは先週までに1ドル26.556にまで上昇していたが、27日午前中には26.35にまで上昇した。
ドルは、短期長期共に下降傾向にあり、対ユーロ、対ルーブルそれぞれで大幅にその価値を落としている。対ユーロは07年度にも1.45となり、対ルーブルでも25.7にまで下落することが予測されている。
英HSBCでは、ユーロは対ドルで直ぐにでも1.3を上回り、年末までに1.33にまで上昇すると予測している。07年末には1.45と大幅な下落を予見する。
ルーブルもユーロと同じく、対ドルで安定的な上昇が予測されている。ドルは23日時点で26.556にまで下落し、継続的なルーブル高が続くと見られている。ルーブル高の背景は、ロシア国内のインフレ傾向の減退とドルそのものの弱体化があると見られている。HSBCでは、ルーブルは対ドルで来年いは25.7にまで高まると予測されている。
ロシアの天然ガス大手ガスプロムが07年度から欧州向けガス価格の大幅値上げを予定している。
世界最大のガス埋蔵量を誇るガスプロムが既にEUに加盟を果たしたバルト3国へのガス価格を欧州諸国並みの価格にまで引き上げることを画策している。
ガスプロムでは、07年度にもバルト3国向けガス価格を1000立方メートルあたり最大260ドルにまで引き上げ、欧州向け価格の平均値が妥当だとの決定で固まっている。
ラトビアへは220ドルまで値上げされ、実質54%の値上げとなり、リトアニアへは30%値上げとなる210〜230ドル、そしてエストニアへは最大の値上げとなる260ドルが適応される見通し。
現在、ガスプロムの外国向け輸出平均価格計画では1000立方メートルあたり293ドルとなっており、06年度の257ドルから14%の値上げとなっている。
特に隣国ベラルーシへの値上げは極端で、これまでの4倍となる46ドルから200ドルへの値上げがほぼ決まっている。一方で、国内のガス価格は07年度は1000立方メートルあたり49ドルを予定しており、06年度からは15%の値上げが予定されている。
日本の個人投資家もロシア株に投資する機会が増えそうだ。露メトロポール・インベストメント(Metropol Investment Financial)と日本の証券会社ユナイテッドワールド証券(United World Securities)とが共同でロシア証券市場を対象とする投資ファンドを立ち上げることで合意した。
今後3年間をかけて同ファンドは8700万ドルを調達するという。投資募集には、日本の個人投資家を対象とし、1株10万円(870ドル)で売り出すと言う。投資家はオンラインで投資参加できるようになることが予定されている。
ファンドの投資先は、ロシアの証券市場に上場する企業や海外に上場する同様の企業株を対象とする。主要投資先は、ロシアのエネルギー関連企業でルーブル建て、ドル建て共に投資対象となる。
今回のジョイントベンチャーは、メトロポール社のキプロス法人メトロポール・キプロスが金融コンサルとして事業統括を行う。そしてメトロポール社自身は、証券ブローカーとして今プロジェクトに参加することになっている。
日本のユナイテッドワールド証券は、2001年12月創業で、東京に本社を置いている。主に中国、ベトナムなどの証券市場で活躍しており、預かり資産総額は5400万ドル(約62億円)となっている。