世界最大の鉄鋼会社アルセロールミッタル(Arcelor Mittal)がロシアの大手鉄鋼会社MMK(Magnitogorsk Iron and Steel)の主要株の取得に興味を示していることをMMKの株主筋が示唆している。
これまでにミッタル社の代表がMMKを1ヶ月前に訪問しており、当時同社の大株主Viktor Rashnikov氏へ買収提案を行ったと見られている。
両社にはこれまでにもカザフスタンのミッタル社の子会社Mittal Steel TemirtauからMMKが石炭を購入するといったビジネス上の取引関係を持っている。
ミッタルスティールは今年アルセロールとの合併を果たしており、同時に昨年ウクライナの鉄鋼大手Kryvorizhstalを48億ドルで買収している。
MMKの資産価値は90億ドル近く、製鉄を昨年だけでも1140万トンを生産する。収益も昨年度は9億4700万ドルを計上している。
プーチン大統領が国内最大の銀行スベルバンク(Sberbank)が予定するIPOで公募価格が異常に高いと苦言を呈している。
同大統領の意見では、スベルバンクはVneshtorgbank(VTB)が計画する公募価格を研究するべきだとして株式をもっと小さく分割し、IPOを計るすべきだと言及している。
確かにロスネフチがIPOを計った際、公募価格が市民にも購入可能な価格帯であったことから公募超過となり、大人気株となっていた。
スベルバンクは、まだ未定としながらも来年第1四半期にも株式公開を目指しており、VTBでも第2四半期にはIPOを計ることを予定している。
VTBの株式公開では900億ルーブル(約34億ドル)から1200億ルーブル(46億ドル)を市場調達すると見られ、公開時には発行株式数の20〜22%が売りに出されると試算されている。この試算では、IPO後は政府保有株式数は78〜80%にまで低下することになる。
スベルバンクが現在予定している公募価格は1株8万ルーブル(約3042ドル)で、額面3000ルーブル(約114ドル)と比べて極端な値付けとなっている。
プーチン大統領の進言をよそに、同行では来年度中の株式分割はないと断言しており、IPOを控えて政府との色々な調整が待ち受けることになる。確かにこの10月に株式分割したばかりで、分割直後の再分割では道理が合わないとの意見も無視は出来ない。
しかしながら、ロスネフチがIPOを計った際、IPO直前に株式の100分割をしたことで一般投資家の公募が急増したことを踏まえると、市民の手に届く優良株の創出はプーチン大統領の言葉通り、『市民と共にある銀行』であるようにとの言葉をスベルバンクは改めて考慮すべきかもしれない。
プーチン大統領に近いとされるBank Rossiyaの関係会社IK AbrosがRen−TVの株式を取得した。現在明らかになっているのは十分な株式数を取得したとされることだけで、幾らでどれくらいの株式を取得したのかは発表されていない。
サンクトペデルブルグを本拠とするBank Rossiyaは、プーチン大統領の親友とされるYury Kovachuk氏が頭取となっている。
これまでのRen-TVの株主はロシア企業2社とドイツ企業1社となっていた。今の所、ロシア側の既存株主鉄鋼大手セベスタルか石油会社スルグトネフチェガスのどちらが保有株を売却したのか明らかになっていない。
両社共、Ren-TV株を35%づつ保有する一方で、ドイツ企業であるRTL Groupが残りの30%の株式を保有している。RTLはテレビ番組39チャンネルとラジオ33局を11カ国で放送する欧州一のメディアグループである。
また、Abros自身も別のテレビ会社Petersburgの株式38%強を保有しており、同社はモスクワを除く7つの地域で放送免許を持っている。
セベスタルもPetersburg株18%を保有しており、Bank Rossiyaの7%を保有する株主でもある。
石油大手のガスプロムが傘下に置くガスプロムバンク株の一部売却を行い、保有比率を62.59%まで引き下げた。
ガスプロムではこの10月にガスプロムバンク株24.9%を別の子会社となる年金基金ガスファンドへ売却することを決めていた。
ガスプロムバンクは預かり資産、国内第3位の大手銀行で、この10ヶ月間に資産総額が42%も増加している。資産総額が6163億ルーブル(234億1000万ドル)となったことで企業価値も32%増加した579億ルーブル(約22億ドル)に達している。
また、ガスプロムバンクはこの11月に07年秋にも株式公開することを発表している。
ロシアの大手金鉱山会社Polyus Goldがロンドン証券取引所にADRs(American Depositary Receipts)を上場させることに成功した。今回のADRsの上場には、新株の発行は行わなかった。
Polyus Gold株はこれまでにもロシアのRTS証券市場とMICEX証券市場の双方に上場している。
同社はこの9月にADRsのロンドン上場を発表した際、2006年-2015年までの事業計画も発表し、金の生産計画を現在の3倍にまで引き上げることを謳っている。
同社の確認金埋蔵量は最低でも6800万オンスで年間390万オンスを実際に生産している。
Polyus Goldは元々ノリリスクニッケル(Norilsk Nickel)からスピンオフして独立した企業で、世界最大規模を誇る金鉱山会社の一つとなっている。