経済ニュースBBNによると、不動産売買件数が2002年の水準にまで下落している。この第2四半期の不動産売買件数は8900件に留まり、前年同期比で実に34%も減少した。
この第1四半期にも42%減の取引総額94億クローン(約1015億2000万円)に留まったことから、今年は不動産業界にとって厳冬の年になるかもしれない。
この上半期だけを見ると、実に取引件数は60%の減少となる。4月には若干の回復を期待させた不動産売買件数は、5月に入り悪化が明らかとなり、その流れは6月へも続いた。
5月の取引件数は47%減少し、6月に至っては57%も減少した。6月の取引件数は4187件で29億7000万クローン(約320億7600万円)と前年同期比でほぼ半額にまで悪化した。
不動産売買が悪化する中で、マンションの売却を諦めたオーナー等が賃貸市場へ足場を移している事から、タリン市市内だけでも現在約900
戸のマンションが借り手を捜している。
しかしながら賃貸市場も供給が需要を上回っていることから、供給過多という実状から借り手がつかない物件が増える傾向になる。
景気後退が明らかになったことで新たな買い手が付かない住居物件は賃貸でも苦戦を強いられるという2重苦に直面し始めている。賃貸も供給過多でこの所は、クリスティイネ(Kristiine)、ムスタマエ(Mustamäe)やハアベルスティ(Haabersti)では500(約5400円)〜1500クローン(約1万6200円)の値下げが見られ始めている。
グローバルプロパティーガイドによると、ラトビアの住宅価格がこの第1四半期に-27.15%も下落し、世界34カ国中、最大の下落を演じているとLETAが報じている。
サブプライム問題に揺れるアメリカでは-14.8%下落し、住宅不況に見舞われらアイルランドでさえも-8.87%の下落で済んでいる。
一方で上海では住宅価格が40.47%も上昇し、同様にスロベニアで34.53%、ブルガリア31.55%、香港31.14%、シンガポール29.82%と5カ国で30%近い上昇を記録した。
季節調整済みの住宅価格の下落率を見ると、バルト3国では、ラトビアが実に-38.22%の下落となり、リトアニアでは-13.24%、エストニアでは-7.5%と何とか大きな下落を免れている。
地元紙アリパエブによると、もしエストニアが本気でユーロの導入を考えるの出れば、近い将来エストニア・クローンとユーロの交換比率を引き下げ、通貨切下げが必須となるという。
通貨委員会では、クローンとユーロの固定交換比率はユーロ導入まで現在の比率が維持されると強調するが、中央銀行のLivia Kulm広報は、一旦エストニアがユーロ導入の条件をクリアしたら、欧州経済・財務相理事会(ECOFIN)は各国の実情を再調査することになると順調にユーロ導入が進むかは不確定要素が多々あることを示唆している。
同氏は、ECOFINは正当な交換率を見直す可能性があるが、今の所は、現在のルールに沿ってユーロ導入の可否が判断されると語っている。
エストニアでは、ユーロ導入がEU加盟に次ぐ最大の目標の一つとなっているが、現在の交換比率の高さから、高インフレに苦しむという現状に苦しんでいる。
株価が大暴落しているアメリカ最大の自動車メーカーGeneral Motorsの事業価値が510億クローン(約5508億円)にまで下がり、3年前に買収されたハンサバンクの買収金額670億クローン(約7236億円)を大きく下回った。
経済ニュースBBNによると、既に株式の上場を止め未公開化されたハンサバンクの実際の価値が如何程になるのかは現在の所試算されていないが、去年まで世界最大の自動車メーカーとされたGMの価値を上回るとは信じ難いとの声が挙がっている。
しかしながら、昨年投資銀行のGILD Bankersがハンサバンクの時価価値を試算した際には、買収時の金額を大きく上回る890億クローン(約9612億円)と試算されていた。
事業規模の拡大を計るAgrowill Group ABは先月エストニアの酪農大手のPõlva Agroの買収合意し、合併書類の作成とその作業を終えたことを明らかにした。
LETAによると、今回のM&Aでは、4840万リタス(約23億5224万円)の買収金額となったといい、事業拡大の姿勢を休めないAgrowillでは、今度はモルドバの企業の買収に着手しているという。