昨年、タリンに開業した5つ星ホテルであるスイスホテル(OÜ Swissôtel Estonia)が07年度決算で結局6160万クローン(約6億2220万円)の赤字に終わったことが明らかになっている。
地元紙アリパエブによると、昨年度の売上高は330万クローン(約3232万円)に留まり、開業が遅れに遅れたことで収支バランスは6000万クローン(約6億600万円)を超える赤字となってしまった。
同社のAive Kalev財務執行役は、現在の経済状況を踏まえるとホテルはそれ程悪い状態ではないといい、しかしながら、近々に黒字化するとは思えないと今後も事業が黒字化するには時間がかかることを示唆している。
バルティックタイムズによると、リトアニアの通信最大手Teo LTがヴィルニス在住のVytautas Petrauskas氏に対して1200万リタス(約5億5200万円)の損害賠償を求めて訴訟を起こしている。
同社では、旧本社ビルを売却して新社屋の建設を始めていたが、建設の届けを出していたヴィルニス市政府が地元民への通知を怠っていたことで建設を開始してから建設計画を知ったPetrauskas氏の建設反対の申し出により建設作業が滞ったことで同社が被った損害は大きいとして同氏に対し1200万リタスの損害賠償を求める訴訟を今回起こした。
同社は、既に旧本社ビルを売却しており、旧本社ビルを一時的なオフィスとして利用し続けているが、この間は全て無用な支出ということになり、この分の埋め合わせをPetrauskas氏に求めた格好だ。
不動産開発大手MerkoのAlar Lagus執行役が上半期の決算を公表したその場で現在の不動産市場から近い将来中小の財務内容が弱い企業は破綻するだろうと業界の先行きを懸念している。
経済ニュースBBNでは、需要の急降下により価格は競争激化し、基礎体力のない会社は資金繰りに困窮し破綻するしかなくなるだろうと報じている。
外国人投資家からの投資マネーの流入が止まっている今、不動産価格は今後どこまで下がるかは全く分らない状態だ。
地元紙アリパエブによると、Merko Ehitusは今年上半期に3億クローンの収益を計上はしたが、売上高は大きく縮小した。
また、Lagus氏は、建設業界が復活するのは景気が回復し始めてから12ヶ月から18ヵ月後位からになるだろうと業界の先行きを見ている。
大手不動産会社Arco Varaのオフィス賃貸部門勤務のVivika Simmo氏がタリン市内のオフィススペースの供給が過多となっていると示唆している。
地元紙Äripäevによると、オフィススペースの6割程に借主が入っているに留まり、賃貸料金も04年当時の価格にまで下落してきている。
オフィスの賃貸価格は、今後更に下落することは明らかで、借主を探すのはより困難になると見られている。今後18ヶ月間にタリン市には約10万平米のオフィススペースが供給されることになっている。
1年前には1平米300クローン(約3060円)にまで値上がりしたオフィス賃貸も一気に景気後退となり、企業がオフィスを縮小したり、支店数を減らすなどで経営の見直しを図っていることが市場に大きく影響している。
バルティックタイムズによると、大手財務格付け会社英フィッチ(Fitch)がバルト3国経済の最新レポートを発表し、その中で『景気後退バルト3国、如何に終焉するか?』というタイトルを付けている。
バルト3国は、3カ国とも見通しはネガティブとされている。
強烈な経済成長を経験したバルト3国では、一気に景気が冷え込んだことでリセッション入り寸前にあり、与信の信用にも懸念が持ち上がってきている。
ただし、景気後退により国家の予算カットや銀行資産の劣化をどれ程進行されるかに大きく影響を受けるかによるが、これらにより通貨の切下げが必要とされるかは極めて懐疑的だと見られている。
それでも通貨の切下げが不可能か否かと問われれば、不可能でもないと言わざる得ないという。