ELTAによると、リトアニアのDalia Grybauskaite大統領が通貨の切り下げはバルト3国にとって完全に無意味だと考えているという。
切り下げは意味を得ず、処方箋のない治療のようなものだと同大統領は見ている。
同大統領は、ユーロ導入のために何かを犠牲にしてまで導入を図る必要はないと述べ、なぜなら単なるユーロ導入がゴールではなく、ユーロによって金融システムが安定し、確かなものになることにより経済の再建が捗るからその導入を目指しているのだと説明した。
そして現状を生き抜くには、誰しもが傷つくような大幅な通貨切り下げか、もしくは大規模な給与引き下げのどちらかを受け入れなくてはならないとも述べている。
米ブルームバーグによると、エストニアのAndrus Ansip首相がエストニアが2011年1月にもユーロ導入が適うだろうと示唆している。
現在、バルト3国ではどこもGDPの3%に留めねばならない財務赤字が大幅に上回っていることからなかなかユーロ導入が適わない状態が続いているが、エストニアでは、最大与党Peoples’Unionも2010年の予算を支持することを約束していることで2011年のユーロ導入が達せられる可能性が高まっている。
首相の強気の姿勢は、背景にIMFがエストニアのユーロ導入機会はもう目の前にあると示唆したこともあり、バルト3国の中ではエストニアが最もユーロに近づいたと見られていることにあると言われている。
エストニアは是が非でも2011年にユーロ導入を達成しようとしている一方で、来年度のGDPはマイナス成長ではなく3.5%程度の成長を予測している。
LETAによると、Krediidipankが現在のエストニアの経済状況は停滞しているように見えるが、経済危機はまだ底を打ってはおらず持続中でその真っ只中にあると分析している。
同行の分析では、ローン市場が回復するのはまだ先で年内にはないとの意見で、同行としても返済に滞る客との間で多くの問題を解決して行く必要があるという。
LETAによると、10月23日の臨時内閣で公務員向けの給与システムを統一することが合意したという。
新給与システムでは、首相給与は最高額となる。既存の首相給与は月給1908ラッツ(約37万2000円)となっている。
また、新システムでは地方政府や政府により指名された者、政府関連機関職員、政府関連企業、軍人等などにも適応される。
これにより最高裁裁判官や憲法裁判所裁判官等も首相給与を上回ることはなくなり、省庁職員でも省書記官は大臣給与を上回ることは出来なくなる。
これらの例外としてラトビア大統領、ラトビア中央銀行、そして金融市場委員会等は同システムの対象外となっている。
バルティックタイムズによると、10月15日から22日までの間にリトアニアで新たに6800人が失業したという。
また、この期間中に職に就けたのは2600人に過ぎなかった。
就労局によると、10月22日の時点で23万800人失業しており、雇用の新規募集は1056人に留まった。