ロシアの経済省が2007年度の経済成長率予測を当初の6.1%から6.2%に引き上げたことを明らかにした。
GDPの拡大は、2009〜2010年にかけての低インフレ予測にも関連しており、2009年度のインフレ率は当初の5.5〜6.8%といった予測から5.5%〜6.5%に引き下げられている。
同様に2010年度のインフレ目標も5〜6.5%から5〜6%に引き下げられた。
しかしながら、2003年にプーチン大統領が謳った『2010年までにGDPを倍増する計画』は不可能となることが改めて明らかになった。
現状では、株価の底値気配は見えていないとするのが大半の市場参加の見方のようだ。
今の所、投資家等は底値を探るような様子見の状態を続けており、機関投資家等は今後も株式市場は下落する可能性を秘めているとして、その理由を中国事情が安定していないことやアメリカ経済のリセッション懸念などを挙げている。
スベルバンク(Sberbank)株が世界的な株価下落に引きずられるように下落したことで公募に参加した投資家等が公募を中止する可能性が高まっている。
スベルバンク株は当初の公募予定下値をも下回る水準にまで下がってしまった。
投資家等には最終的にまだ2週間の支払猶予があることから、金融機関らは今後の株式市場の流れを判断する上で3月21日の最終日まで状況を見ることを推奨している。
スベルバンク株は2月21日に8万9000ルーブル(3394ドル)で第2次放出を計ることを同行では決めていたが、5日の株価が公募価格を一時3000ルーブルも下落したことで公募価格が高すぎるのではとの声が出始めている。
5日の同行株は取引終了間近に突然値が大きく上昇したことから、不気味な資金の流入も噂されている。
スベルバンクでは、もともと350万株の放出で120億ドルを市場調達する意向であったが、最低でも76億ドルの調達に目標を変更させている。
ロシアの大手鉄鋼会社セベスタル(Severstal)が英蘭鉄鋼グループのコーラス(Corus)が保有する一部資産を買収することで協議を進めようとしている。
セベスタルが長年コーラス買収に興味を示してきたというのは市場では当然のように語られてきたが、インドのライバル企業タタ・スティール(Tata Steel)がこの1月末にコーラス入札でブラジルのCSNを破って落札したと見られてきた。
実際に1月末に落札を決めたタタは120億ドルで落札を勝ち取っている。
英紙『The Business』では最近、セベスタルがタタに対しコーラスの鉄鋼工場の一つScunthorpeを19億ドルで買収する意向を伝えたと報じている。
セベスタル、コーラス、タタも今回の報道は否定しており、詳細は何も明かされていない。
セベスタルは昨年世界第2位のアルセロールとの合併を模索したが、アルセロールの株主等らにより合併案が拒否されたことで新たな合併先を模索してきた。
ロシアの証券市場が週明けの5日、寄り付きで大きく値を下げた。市場は世界的なリセッション懸念から資源経済に頼るロシア経済が打撃を受けるのではとの懸念からつられるように値をグングンと下げてしまった。
MICEX市場は、取引直後から6.7%値を下げたが、終値は買戻しも入り3.3%の下落で取引を終えた。同様にRTSも寄り付きは5.5%値を下げ、終値は3.7%の下落で取引を終えている。
インド、マレーシア、台湾、ポーランドなどの新興国市場は、どこも3%の下落を5日演じている。モスクワの金融筋では、ロシアの株価下落は、ファンダメンタルズの問題ではなく、世界的な株価調整に引きずられるように値を落としているに過ぎないといった見方で一致している。
株価下落が大きかった産業は、石油ガス関連で、ガスプロムでは先週までの下落8.5%に続き4.1%の下落、スルグトネフチェガスは8.7%の下落後の5.7%、国内最大手の石油会社ルクオイルも6.9%下落後の2.5%とどの天然資源企業も株価をこの1週間で大きく落としている。
アルファバンクでは、今回の株価調整を昨夏の新興国市場の株価下落時のように30%近い下落も懸念されるとし、英HSBCなどを筆頭に欧米の金融機関で膨らむアメリカでのローン焦げ付き債務が如何に解消されるかに焦点をあてている。