地元紙Äripäevによると、不動産開発業者AS Kolleが証券詐欺を行ったと凶弾されている。
同社の社債に1億クローン(約8億6000万円)以上も投資した12名の投資家が同社が社債発行の条件とされていた担保を勝手に売却していた事を発見した事から問題発覚となっている。
SwedbankのPeeter Pihoファンドマネジャーは、このような対応は近代社会においてはあり得ず、投資家を欺くような対応に経済界にも大きな影響を齎すものになると不安を口にする。
Swedbankでは投資家資金を同社の社債に6500万クローン(約5億5900万円)投じており、その他の投資家も6300万クローン(約5億4180万円)を投資したという。
競合のSEBでも投資家へ多額な同社債を勧めており、2007年当時、Kolleの社債は98社の子会社株を担保で発行されていた。
投資家を上手く集めた背景は、同社の事業収益は健全で、06年の実績は5000万クローン(約4億3000万円)近い収益を上げていた事や社債総額は同社の資本金と同額で会った事から安心を買ったと見られている。
しかしながら09年4月に社債の償還を迎える寸前にKolleが同社の22%分となる資本金を唐突に引上げたことで、問題が複雑化した。
増資には傘下のTalot株が使われており、新たなTalotの大株主(Viru Backpackers)はTalot株78%を1000万クローン(約8600万円)で取得している。
債権団は投資した金額と増資された当時の株取得の行使価格とに大きなかい離があり、株式比率の引き上げなどを含む協議を要求したが、Kolleの代表者らと連絡が取れなくなってしまった。
Kolleではこの6月に債務返済を理由にリストラを開始したが、現状では破綻の懸念まで浮上している。
SEBでは、Kolle株22%分を1億3560万クローン(約11億6616万円)で売却を目指したが、金額が大き過ぎ、投資家が皆無な経済環境ということもあり、売却には失敗してしまっている。