経済ニュースBBNによると、エストニアの観光名所として有名なパルヌ(Pärnu)市が地元建設会社と結んだ市庁舎修復作業の費用高騰を背景に毎月1000万クローン(約8000万円)の返済を強いられており、最悪、市政府が破綻(ディフォルト)の危機にあると報じている。
Tiit Kuuli氏が経営するSteniardがパルヌ市と契約した市庁舎のリノベーション事業でパルヌ市は大きな負担を強いられることになった。
報道によると、リノベーション作業は、3年前に試算された当初の計画よりも3倍の費用がかかることが明らかになり、その差額を市が負担せざる得なくなっている。
当初の計画ではリノベーションには3000万クローン(約2億4000万円)強の予算が確保されていたが、その後、建設費用の高騰で9000万クローン(約7億2000万円)にまで費用が嵩んでしまった。
市政としては、新たな財政出動を思案せねばらなくなったが、この不景気の最中、市が所有する不動産の売却は出来ず、資金調達に頭を抱えている。
2007年以来、パルヌ市はSteniardに対し2500万クローン(約2億円)しか支払いを済ませておらず、金利も含め、6300万クローン(約5億400万円)が滞納状態になっている。
契約に基き、同市は毎月10万3000クローン(約82万4000円)の支払い義務が生じている。
パルヌ市の財政がここまで困窮した背景は、もう一つの大型プロジェクト『パルヌ・スポーツ・アリーナ』の建設で、市の予算を3100万クローン(約2億4800万円)も上回ったことが挙げられている。
同プロジェクトでは、最終的に1億3100万クローン(約10億4800万円)の支出を余儀なくされている。