零細系の銀行で住宅ローンを提供している銀行が資金ショートを起こし経営の危機が危ぶまれている。
ロシアでは住宅ローンを取り扱っている銀行の3分の1が資金ショート懸念が持ち上がっている。アメリカの住宅ローン問題を機に住宅ローン証券市場への安全性が危惧され、金利が上昇し続け、以前LIBOR+1.5%で借りられたものが、今はLIBOR+4〜5%と金利が高騰している。
この金利高を背景に銀行業界では住宅ローンの証券化を諦め、一部の銀行では債権を競合他行へ売却するところも出始めている。
Gorodskoi Mortgage BankのNikolai Shitov代表は、アメリカでのサブプライム問題発生以降、借入れ金利はLIBOR+3%にまで上昇していることからも今は住宅ローンの証券化は最適な時期ではないとの私見を述べている。
Alfa Bankの住宅ローン事業部部長であるIlya Zibarev氏も与信ポートフォリオはLIBOR+4〜5%で売買されており、以前のLIBOR+1.5%から大きく上昇していると指摘する。
この流れの中、ロシアの銀行では証券化への資金調達レートは既に9〜11%という高率で借り入れざる得なくなっている。
Gorodskoi Mortgage Bankでは、市場の変化をチャンスと見なし、国内の大手銀行との間で彼等が抱える住宅ローン債権の買取を打診している。同行では10%を超えるディスカウントの安値で売りを急ぐ債権を5億ドルあまりで買い取っているという。
同行は、住宅ローンを提供する資金ショートしかけの国内銀行の30〜40%あまりが今後2〜3ヶ月で大きな焦げ付きを出すと予測している。