日刊紙ポスティメス(Postimees)が金融関係者に行ったインタビューとしてエストアに懸念される経済危機について紹介している。
この金融関係者はこのインタビューの中で、『エストニア政府は危険なゲームを遊んでいる。世界的に著名な全ての財務格付け会社が最新レポートの中でバルト3国経済の危険性を説いているのにも関らず、中央政府及びAndrus Ansip首相は何もそれに対策を講じようとしていない』と強烈に政府の姿勢を弾じ、ラトビアが政府主導でインフレ及び生産性拡大のアクションプランを早々に纏めたことと比較して、エストニアの動きの悪さを批評している。
また、会計監査及びコンサル大手のアーネスト&ヤング(Ernst & Young)のパートナーであるHanno Lindpere氏は、エストニア経済は近い将来、減速することは確かだが、問題はいつそれがどういう形で現れるかであり、如何に問題の悪化を回避日させるかが大切だとポスティメスのコラムで私見を述べている。
同氏は、前回、1997年にエストニアに経済危機が襲ったときは、過剰投資となった株ブームの大暴落がきっかけとなり、多くの資産があっという間に吹き飛んだと、経済環境の変化に危惧していることを示唆している。
エストニア財務省は、同省が行った最新の聞き取り調査の結果として、エストニアは今後2年の内、2009年にはリセションに入り、多くの企業が破綻することになるとの衝撃的な内容を公表している。
財務省経済研究局のAndrus Saalik局長は、リセッションにより企業破綻、失業増、賃金の減少、物価調整、金利の見直しなどが起こる可能性を示唆している。
アナリスト等は、経済危機の指標として、不動産会社が破綻を始めたときが最も危険なときに突入することになると予測している。