ロシア最大の銀行VTB(Vneshtorgbank)のAndrei Kostin会長がルネッサンス・キャピタル(Renaissance Capital)とトロイカ・ダイアログ(Troika Dialog)の両投資会社との間で買収協議を行っていることを示唆している。
両社とも買収提案に関し、米リーマン・ブラザーズ及び米JPモルガン・チェースと協議しているという。
ルネッサンス社のStephen Jennings代表は、同社を売りに出すことはないとコメントを出しているが、内部情報では最大株式の25%を売却する可能性があるという。
トロイカ社はルネッサンス社よりも売却の可能性が高いと見られるが、同社の組織構成上、現実的ではないとの見方もある。同社の組織形態は、社員のメンバー制で稀な経営組織をしている。
ただし、もし買収協議が深まったとしても次には買収額が問題となる。トロイカ社の企業価値は25億から30億ドルと見られている。しかしながら、一部では資産価値は現実の所5億から8億ドルでブランド価値は2億から5億ドル程度との声もある。
ルネッサンス社にしても、企業価値は40億ドルと試算されている。
企業価値的にはルネッサンス社の方がトロイカ社よりも高いという市場判断が出ていることになる。
この初夏にも計画されるVTBのIPOでは、株式60%の放出で45億8000万ドルを調達すると見られている。IPOが上手く行けばトロイカ社でもルネッサンス社でもどちらでも買収するのには十分な資金を獲得することになる。