プーチン大統領が国内最大の銀行スベルバンク(Sberbank)が予定するIPOで公募価格が異常に高いと苦言を呈している。
同大統領の意見では、スベルバンクはVneshtorgbank(VTB)が計画する公募価格を研究するべきだとして株式をもっと小さく分割し、IPOを計るすべきだと言及している。
確かにロスネフチがIPOを計った際、公募価格が市民にも購入可能な価格帯であったことから公募超過となり、大人気株となっていた。
スベルバンクは、まだ未定としながらも来年第1四半期にも株式公開を目指しており、VTBでも第2四半期にはIPOを計ることを予定している。
VTBの株式公開では900億ルーブル(約34億ドル)から1200億ルーブル(46億ドル)を市場調達すると見られ、公開時には発行株式数の20〜22%が売りに出されると試算されている。この試算では、IPO後は政府保有株式数は78〜80%にまで低下することになる。
スベルバンクが現在予定している公募価格は1株8万ルーブル(約3042ドル)で、額面3000ルーブル(約114ドル)と比べて極端な値付けとなっている。
プーチン大統領の進言をよそに、同行では来年度中の株式分割はないと断言しており、IPOを控えて政府との色々な調整が待ち受けることになる。確かにこの10月に株式分割したばかりで、分割直後の再分割では道理が合わないとの意見も無視は出来ない。
しかしながら、ロスネフチがIPOを計った際、IPO直前に株式の100分割をしたことで一般投資家の公募が急増したことを踏まえると、市民の手に届く優良株の創出はプーチン大統領の言葉通り、『市民と共にある銀行』であるようにとの言葉をスベルバンクは改めて考慮すべきかもしれない。