米投資銀行であるJPモルガンチェースがロシアの投資会社Troika Dialogの買収に取り掛かっていると露RBCデイリーが伝えている。
RBCによると、Troika Dialogでは、投資事業全てを売却する意向で、同グループによる事業の半分に匹敵し、売却価格は15億ドル相当と試算されている。
しかしながら、Troika Dialogでは同報道を噂に過ぎないと否定するコメントを出しているが、投資銀行筋では売却は規定路線だという。
これまでにブルームバーグでは、この夏にTroika Dialogが株式の10%をJPモルガンチェースに売却することを計画していると報じている。
同報道もTroika Dialogでは否定した経緯がある。しかしながらJPモルガンチェースはロシア市場進出への強い興味を示しており、ロシアの有力な投資会社や投資銀行の買収を目指している。これまでに実際にATON投資グループの買収にも取り組んだ過去がある。
Troika Dialogではこの8月にスイスのHansa AGから自社株5%の買戻しをしており、現在は100%自社株を保有している。これは将来的な完全売却を目指す一環だと見られている。
世界的なロシア投資人気から同社の事業は高値で評価されることは確かで、Veles CapitalのアナリストMikhail Zak氏は、Troika Dialogの投資事業部の売却価格を15億ドルと試算する。また、同社の試算管理事業だけを見ても2億5000万ドル以上の価値があるという。
Troika Dialogは、ロシアでもトップの投資会社で1991年に創業している。主に証券売買事業、投資事業、銀行サービス、信託サービス事業などを得意としている。実際にRTS証券市場の取引額の40%は同社が取り仕切っている。