破綻している石油大手のユコスを巡ってドイツ銀行がユコスの債務を含めて全てを買い取る意向であることを示唆している。
ユコスのViktor Gerashchenko会長によると、ドイツ銀行の動きは、恐らくガスプロムをカモフラージュする為ものではないかとし、ロスネフチとの間でユコス資産を巡って競合することになるのではとユコスの行く末を予言している。ユコスを買収することでユコスが抱える2つの石油生産施設と5つの製油所を獲得することが出来、格安でユコスを取得できれば、ユコスが抱える追徴課税を支払ってでも買収する価値があると見られている。
現在、ロスネフチがユコスの最大の債権者で95億ドルの債権を抱えている。ガスプロムも年初にユコス傘下であるトムスクネフチの買収に興味を示している。
Gerashchenko会長は、先週、ドイツ銀行のロシア法人Deutsche UFGからユコス買収の協議を始めることを求めた手紙を受け取ったことを認めており、ドイツ銀行としては、債権者の最終的な意思決定が下される前に買収提案を提示する用意があると伝えられているという。
ガスプロムにせよロスネフチにせよ、何れにせよユコスを取得するには少なくとも30億ドルから40億ドルが必要となる。そして買収後には追徴課税とされる債務を支払うことになる。
ユコスが抱える追徴課税額は3117億ルーブル(115億ドル)で、ユコスが傘下企業や資産をバラバラで売却された場合、資産総額は追徴課税を上回る金額に上ると見られている。実際、トムスクネフチだけでも100億ドルの価値があるとされている。