欧州の中で東欧経済の急成長が顕著で、特に建設、貸出、国内消費の拡大などが経済を牽引している。
この第2四半期にエストニア及びラトビアの経済はそれぞれ11%から12%以内とGDPが急速に拡大しつつある。
06年1月にこれまでの法人税を15%にまで引き下げたことで第1四半期のラトビア経済は13.1%の拡大を達成したと見られている。引き下げが行われる前までの法人税率は25%であった。
東欧経済を見ると、チェコのGDP成長率は6.2%、ハンガリー3.8%、スロバキア6.7%とそれぞれ好調を維持しているが、ほぼバルト3国の半分程度に留まる。
昨年末のGDP成長率では、ユーロ経済圏の12カ国とEU新メンバーでは、それぞれ2.6%と7.3%で3倍近い差が生じている。
高度経済成長の中にある新規メンバー各国は、経済の好調が原因で高インフレとなりユーロへの通貨統合時期に遅れが出始めている。
実際に07年1月に通貨統合を決めているスロベニアではこの2年間の経済成長率は平均4.05%と他メンバー諸国と比べ低成長に留まったことでインフレ率も低く抑えることに成功した。
通貨統合申請を却下されたリトアニアは、統合時期は2010年頃になると見られ、統合時期を1年延期したエストニアでは早くても2009年になると格付け会社フィッチが示唆している。
チェコに至っては2011年までの通貨統合はないと見られ、ハンガリーも同じく2014年以降となる公算が高く、東欧各国の統合時期はバルト3国から大きく遅れることになる。